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知らない料理をAIに聞いて作ってみた|フランス料理「ブッフ・ブルギニョン」
2026.06.25
見たことも聞いたことも無い料理を、AIに聞いて作れるのかチャレンジ!
普段料理をしない素人が、フランス料理の「ブッフ・ブルギニョン」(牛肉のブルゴーニュ風)に挑戦する。
この記事の主旨とは
<読み飛ばしても問題のない戯言です>

最近何かと話題のAI。皆さんはどんな印象を持っているだろうか?
人間よりも素早く結果を出し、業務の効率化や生産性の向上が期待できることから一気にもてはやされ時代の寵児となったが、法の整備など人間側がどう付き合うのかがおろそかなまま開発が進み、これまた急激に風当たりが強くなっている。

アメリカでは雇用や電力不足などの問題から多くのデータセンターの建設が中止になっているらしい。日本でも主に芸術分野における生成AIの扱い方について、連日論争が続いている。
AI自体は悪ではないが使う人間が悪用したり、そもそも何が正で何が悪かも人それぞれというカオスな状態。
筆者もどちらかというと、否定的な側の人間だ。

とはいえ、すでに我々の生活は多くの面でAIに支えられているのも事実。
どれだけ逆風が吹こうとも、AIが完全に使われなくなることは無いし、これからも関わる機会が増えていくだろう。
例えAIに反感を持っていたとしても、これからの時代を生きていくにはAIを知る必要がある。「彼を知り己を知れば百戦殆からず」だ。

ということで、前置きが長くなったが

AIを使ってみようと思う。

これまたAIの話なのだが、最近SNSでの自動翻訳の性能が一気に向上し、世界中の人々が自国の料理を紹介し合うという微笑ましいブームが起きた。
論争の絶えないAIであっても、美味しいものが関われば世界は一つになる。

美味しい料理は偉大だ。

そして一連の流れを見て思ったのだ。「世界にはまだまだ未知の美味しいものが溢れている。ぜひ食べてみたい」と。
しかし昔よりは色んなお店が増えたとはいえ、岩手の山の中に住んでいる筆者では食べられる種類は限られている。それにただお店で食べ歩くだけではつまらない。

そうだ、自分で作ろう。

だが交友関係が職場とオンラインゲームのフレンドしか居ない筆者では、作り方を聞くこともままならない。それにただネットでレシピを検索するだけではつまらない。

そうだ、AIに聞こう。

対話型の生成AIを使ったことがある人なら経験があると思うが、AIは時としてとんでもない嘘をつくことがある。(これも使う側の人間の問題だが)
それもまた良いじゃないか。とんでも料理ができたらそれはそれで楽しい。

……というのがこの記事の主旨である。
※決して「食べ物で遊ぼう」という目的では無いので、どんなに酷いものが出来上がっても必ず食べ切ることをルールとする。
何を作る?
さて肝心の料理は何を作ろうか。特にどこの料理が食べたいと決まっているわけではない。
「世界の料理」と聞いてまず思い浮かぶのは……

美食の国 フランス

これで行こう。
出来るだけ食材など料理の特徴を目に入れないようにしながら、フランス料理をざっくり調べていくと、フランスの家庭料理を代表するという「ブッフ・ブルギニョン」という料理名が目にとまった。
フランス料理というと、やたらオシャレに盛り付けられたレストランの料理しか思い浮かばない。一般家庭ではどんなものを食べているのか気になる!
早速AIに聞いてみるとしよう。
出展:Google Gemini
対話型のAIといえばChatGPTが主流のようだが、筆者の好みでGoogleのGeminiくんを使用する。(ChatGPTとは大喧嘩したことがあるので)
雑に「作り方」「材料」だけを聞いてみると……
出展:Google Gemini
ちょっとした解説付きで紹介してくれた。
ほぉん、「ブルゴーニュ地方の伝統的な牛肉の赤ワイン煮込み」か。ブルゴーニュ地方がどこかも分からないが、作れそうだし美味しそう。

よし、今回作る料理は
ブッフ・ブルギニョン
に決定!

ちなみに筆者は、普段は料理を全くやらない人間である。
材料を集める
ということで、Geminiくんが教えてくれた材料を見ていこう。
出展:Google Gemini
雑に聞きすぎて筆者宅は3人家族なのに「4人分」で提示されてしまった。
早速AIを誤った使い方をする愚かな人間代表となった。
まぁ誤差の範囲なのでそのまま行くことにする。

材料の全容は以下の通り。
材料(4人分)
メインの具材
  • 牛すね肉(または肩ロース肉): 600g 〜 800g(大きめのひと口大にカット)
  • 厚切りベーコン: 100g(1cm幅の棒状にカット)
  • ペコロス(小玉ねぎ): 8〜10個(なければ通常の玉ねぎ1個をくし切り)
  • マッシュルーム: 1パック(大きいものは半分にカット)
  • にんじん: 1本(乱切り、または大きめのシャトー切り)
マリネ・煮込み用
  • 赤ワイン(ブルゴーニュ産、またはフルボディのもの): 1本(750ml)
  • 玉ねぎ: 1/2個(薄切り)
  • にんじん: 1/2本(薄切り)
  • にんにく: 2片(潰す)
  • ブーケガルニ(ローリエ、タイム、パセリの軸など): 1束
  • 黒コショウ(粒): 5〜6粒
調味料・その他
  • 小麦粉(薄力粉): 大さじ2
  • トマトペースト: 大さじ1
  • ビーフブイヨン(または水): 200ml
  • バター: 30g(炒め用、仕上げ用)
  • サラダ油(またはオリーブオイル): 適量
  • 塩・コショウ: 適量
メインの「牛すね肉」でいきなりつまずいた。稀に身近なスーパーに入荷することがあるらしいのだが、買い出しに行った日のスーパーでは発見ならず。
「肩ロース肉でも良い」と書いてあるが、ステーキ用にカットされたものしかなく、「大きめのひと口大」には出来そうにない。
とりあえず「塊の牛肉」なら代用になるだろうと、モモ肉のブロックを購入した。これが吉と出るか凶と出るか……。
「厚切りベーコン」は筆者宅には最強のベーコンが常備されているので問題ない。
自家製ベーコンは本当に段違いの美味さなので、作れる環境がある人はぜひ作ってみて欲しい。
メインの他の材料は普通に購入することが出来た。次は煮込み用の材料。
えーと、赤ワインが1本……

1本!?!?!?

正気か???
我が家は全員酒に弱いのでワイン1本飲むのに1年かかるというのに、それを1食で!?
産地? フルボディ?
知ったことか、一番安い調理用で十分だ。

あとは……

ブーケガルニって…何……?

さすがに正体不明すぎて調べた。
いろんなハーブや香味野菜を束にして凧糸で縛ったものらしい。なんとなく料理番組などで見たことがある気がする。
ハーブの種類は特に決まってないそうなので、いつぞやの筆者の連載である「いわて里山散歩」の中で、ミントだと思っていたらオレガノだと判明した庭のハーブを入れるとしよう。
あとはよく使用されるのはローリエやセロリとのことだが、筆者宅に常備しているローリエは葉っぱだけを乾燥させたもの。束にするのは難しい気がする。
そこで思いついたのが「お茶パック」。ダシを取る用に使用しているものだ。
オシャレ感はだいぶ損なわれるが、どうせ最後は取り除くもの。大きな影響はないだろう。

材料の調達は完了したので、調理を開始する!
工程1:お肉のマリネを準備する
Geminiくんによる最初の工程はこうだ。
1. お肉のマリネ(下準備:できれば前日から)
  • 大きめのボウルやジッパー付き保存袋に、牛肉、薄切りにした玉ねぎ・にんじん、にんにく、ブーケガルニ、粒コショウを入れます。
  • 赤ワインを一本丸ごと注ぎ、冷蔵庫で半日〜一晩漬け込みます。
ポイント:
この工程でお肉が柔らかくなり、風味が格段にアップします。時間がない場合は、最低2時間でもOKです。
まずは牛肉とにんじん、玉ねぎを切る。
肉は脂が少ないモモ肉にしたおかげで大変切りやすい。野菜は薄く見えないかもしれないが、これが私の最大限の薄切りである。
ブーケガルニに使用するのはこの3つ。左からセロリ、庭から摘んできたオレガノ、ローリエ。
ちなみにこのオシャレなまな板は、住田町の「イーガストすみた」で購入したもの。
これらの材料を、我が家で一番大きいタッパーに入れる。
ワイン1本にビビり散らしたのでかなり深い。

これに……ワインを……

い、1本…………

行ったれーーーーーー!!!!!
これ本当に家庭料理なんですか? 貴族の食事の間違いじゃないんですか?
フランスでは蛇口からワインが出るんですか??
と震えながら入れ終わってみると、
意外と適量。
ビビりすぎだった。料理界隈では普通のことなのかもしれない。

時刻は午前10時。これを冷蔵庫に入れて夕方まで放置する。
工程2:具材の焼き付けをする
夕方になったので次の工程に移ろう。
2. 具材の焼き付け
  • マリネした牛肉を取り出し、キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取って、塩・コショウを振ります。(マリネ液と野菜、ブーケガルニは絶対に捨てないでください!)
  • 煮込み鍋にサラダ油を熱し、牛肉の表面に強火で香ばしい焼き色をつけて、一度取り出します。
  • 同じ鍋にマリネ液から取り出した「薄切り野菜」を入れ、しんなりして焼き色がつくまで炒めます。
まずはマリネの容器から牛肉だけを取り出すとのことだが、これがなかなか大変。
朝には透明感があったワインがすっかり濁り、どこに肉があるのか全然見えない。薄切りの野菜たちもまとわりついてくる。
そして言われるがままに牛肉をフキフキ。
この作業にはどんな意味があるのだろうか……。
塩コショウを振って、鍋を使って焼いていく。「焼き色をつける」とのことだが、ワインの色で染まっているので焼き色が全く分からない。
写真は見やすいように少し明るくしてあるのだが、実際はもっと暗くてこのままだと炭になるまで焼いてしまいそうだったので、なんとなく色が濃くなったぐらいでやめておいた。
今度はマリネから薄切り野菜だけを取り除く。
何かと潰したニンニクが邪魔してきて、これもかなり大変だった。
こちらも肉を取り除いた鍋で炒める。
焼き色はやっぱりよく分からないが、だいぶしんなりしているので大丈夫だろう。
工程3:煮込む
いよいよ本格的に煮込む工程へ。
3. 煮込み
  • 炒めた野菜の鍋に小麦粉(大さじ2)を振り入れ、粉っぽさがなくなるまで弱火で炒め合わせます。
  • 牛肉を鍋に戻し、トマトペースト、残しておいたマリネ液(赤ワイン)、ブーケガルニ、ビーフブイヨンを加えます。
  • 一度沸騰させてアクを丁寧にすくい取ったら、フタをして弱火で約2時間〜2時間半、お肉が柔らかくなるまでコトコト煮込みます。
先の工程で炒めた野菜に、小麦粉を入れてさらに炒めていくが……
明らかにコゲついている。
見やすくなるようにと白い鍋を使ったことが裏目に出た。
鍋に一度取り出した肉と、マリネの残り、ホールのトマト缶の中から1個出して潰したもの、「ビーフブイヨン」という名の水を入れて火にかける。
アクをあらかた取ったら火を弱めて、フタをしてまた放置。
ちょっと気になるのが「お肉が柔らかくなるまで」とのことだが、私の感覚だと肉がすでに柔らかかったこと。
2時間後、跡形もなく崩れていたらどうしよう……。
工程4:付け合わせ?の準備をする
次の工程についてGeminiくんは「煮込んでいる間に、料理に加える具材を別で調理します」と言っているが、見出しには「付け合わせの準備」と書かれている。
「付け合わせ」ってステーキの横にあるポテトやキャロットグラッセのような、メインの料理に添えるものだと思っていたのだが、「加える」とはどういうことだろう?
ちょっと引っかかるが、とりあえず工程は以下の通り。
4. 付け合わせの準備
  • フライパンにバター15gを熱し、ベーコンをカリッと炒めて取り出します。
  • 同じフライパンでペコロス(小玉ねぎ)とにんじんを炒め、少量の水(分量外)を加えてフタをし、柔らかくなるまで蒸し焼きにします。
  • 最後にマッシュルームを加えてさっと炒め合わせ、すべて取り出しておきます。
まずはバターで自家製ベーコンを炒める。
これは勝った! 勝ち確定!!

もうめちゃくちゃ美味い匂いがする。これだけでご飯3杯いけそうな気がする。
これを入れて不味くなるわけがない。
ベーコンを取り出して次は野菜。肉は一度取り出される運命にあるらしい。
野菜の方はフタをして蒸し焼き。水の量はよく分からないので小皿ぐらいにしておいた。
にんじんに箸が通るくらい柔らかくなったのでマッシュルームを加える。
この後は……「すべて取り出しておきます」?
さらっと全工程を見た感じ、ここの他にフライパンを使う部分は無さそうなのに何故??
工程5:仕上げをする
いよいよ最後の大詰めだ。
5. 仕上げ
  • 鍋のお肉が柔らかくなったら、一度お肉だけを取り出します。
  • 鍋に残ったソースをザルなどで濾し、野菜やブーケガルニを取り除いて綺麗なソースにします。
  • 濾したソースを鍋に戻し、弱火で少しとろみがつくまで煮詰めます。塩・コショウで味を調えてください。
  • 鍋にお肉、【工程4】で準備した付け合わせ(ベーコン、玉ねぎ、にんじん、マッシュルーム)を戻し、弱火で5〜10分ほど煮て味を馴染ませます。
  • 仕上げに冷たいバター(15g)を加えてソースにツヤを出したら完成です!
仕上げ作業に取り掛かるため、煮込んでいた鍋のフタを開けてみる。

あ! 良い匂い〜!!
ビーフシチューの匂いだ。

後から知ったことだが、この「ブッフ・ブルギニョン」はWikipediaでは「牛肉のブルゴーニュ風」として掲載されており、その説明には「赤ワイン、特にブルゴーニュワインと牛のフォンで蒸し煮したビーフシチューである」と書かれていた。


お前……ビーフシチューだったのか………


見たことも聞いたこともない料理を作るはずが、
よく見知った料理を作ってしまった。
だが作っている当時の私はそんなことは知る由もないので、このまま続けさせてもらう。
まずは肉を鍋から取り出す。またしても取り出される肉。ここまでくると不憫になってくる。
「柔らかくなったら」とあるが、正直よく分からない。むしろ、どちらかというと…ちょっと固くなったような……
しかしもう夕飯の時間が迫っているので気にしないことにする。
次に鍋に残った汁や具材をザルにあけて、何も入っていないソースだけにする。

……あれ??

ちょっと待って、もしかして……

マリネの容器から取り出す時も、こうすれば良かったんじゃないの!?!?
あの時の苦労は何だったのだろうと、少し悲しくなりながらソースを鍋に戻す。
ちなみにこの時に取り除かれた薄切り野菜をこの後どうするのかについては、一切言及が無い。まさか捨てるなんてことは無いと思うが……もしそうなら、庶民の貧乏根性……もとい、食材を大事にする価値観とは相入れない。

「少しとろみがつくまで煮詰める」というが、まるでとろみがつく気配が無い。料理慣れした母に確認してもらうと「とろみあるよ!」とのこと。あんかけレベルを想像していたが違ったようだ。
そして塩・コショウで味を調えるために味見をしてみる。

……なんか苦い。

やはり野菜を炒める際にコゲてしまったのだろうか? と思いながら何度か味見して気がついた。
ワインだ。ワインの苦味だ。
そういえばこの液体はほぼワインで出来ているのだった。忘れていた。
なんとなく味が調った気がするので、Geminiくんが言うところの「付け合わせ」と肉を入れ、さらに10分ほど煮込む。
最後にバターを入れて溶かしたら完成!
匂いも見た目も悪くなさそうだが、果たして味はどうだろうか?
ブッフ・ブルギニョン?実食!
見よ! これがAIに作り方を聞いて、素人が作ったブッフ・ブルギニョンだ!!
ソースが出来た段階ではビーフシチューの香りだったが、完成したものはちょっと違う香り。
一番強く感じたのはマッシュルームの匂い。さすが八幡平マッシュルーム、質が良いのだろう。

おそるおそる一口食べてみると……

美味い!!!!!

香りだけではなく味もビーフシチューとは違う。もっとあっさりとして爽やかな感じ。
その理由はやはりワインだろう。味見の時点では苦味を強く感じたが程良くなり、酸味の方が強くなったように思う。
一番心配していた肉は、本来のスネ肉よりは固いのだろうが「肉食ってる!」感があって大変私の好みだ。
個人的にはむしろ正解だったとさえ言える。

逆に間違いないと思っていたベーコンは、自家製で塩味が強めだったことが災いし、ちょっと浮いてしまっていた。
最後に煮込む時間をもう少し長くして馴染ませていれば、もっと美味しくなっていたと思う。


正解のブッフ・ブルギニョンがどんなものかは分からないが、
このチャレンジは成功と言えるだろう。
いつか本物を食べて答え合わせをしてみたい。
後日談
最後の工程で取り除かれてしまった哀れな野菜たちのその後についてだが、数日後、料理上手な母の手によって豚肉やトマト缶が加わり、新たな料理として生まれ変わった。
あれぇ……?

こっちの方が美味しいような…………

まぁこれに関しては、Geminiくんのレシピの問題ではなく単純に料理の腕による差が出たのだろう。
これに懲りずに、AIの使い方も料理の腕も磨いていきたいと思う。
イグチ アイコの画像
岩手で生まれ、岩手で育ち、岩手の野山でキノコなどを探して徘徊している妖怪。主に山の話をします。本当はインドア派。
最近釣りも始めて休みがいくらあっても足りない。夢は定年退職。
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