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#16 いわて里山散歩|2025年8月の画像
#16 いわて里山散歩|2025年8月
2025.09.03
里山大好きライターの不定期連載「いわて里山散歩」。
今回は2025年8月の里山の花・キノコ・虫などの様子をお届けしよう。
※天候や大人の事情で更新が滞る可能性があります。ご了承ください。
※筆者はキノコ/山菜の専門家ではありません。この記事の情報だけでキノコ/山菜の同定を行うのは絶対におやめください。
ライター:イグチ アイコ
依然猛暑が続いているが、陽の光の雰囲気や時々冷たく感じる風など、少しずつ秋の気配を感じるようになってきた。
2025.8.23の豊沢ダム
8月後半は雨もよく降るようになり、河川敷での花火大会が大雨による川の増水で中止になったりもした。
とはいえ、いまだにダムの水位は低く、農作物には渇水の影響が強そうだ。山の水分量も例年より低いことだろう。秋のキノコが心配である。
川といえば少し気になることがある。
最近川沿いの樹木を見ていると、一部の木がやけに枯れているように見えるのだ。
私はこれも渇水の影響によるものかと思ったのだが、筆者父の分析では「虫に食われているのではないか?」とのこと。実際、川の近くの農家さんから「虫が木の葉を食べているのを見た」という情報も得た。

…これは…奴らが大発生する兆しではないか…??

筆者も学生の頃、アメリカシロヒトリの大発生に遭遇したことがある。
当時は自転車通学で暗くなってから橋を渡ろうとしたところ、頭上ではライトに群がる蛾が大量飛び交い、地面を覆い尽くすほど降り積もった死骸は車が通る度に舞い上がる、という地獄絵図であった。
川の近くに住む人や、夜間に行動する人は気をつけた方が良いかもしれない。
8月の植物の様子
山の中でもやけに虫に食われている植物を見つけた。種類はどうやら「ニセアカシア(ハリエンジュ)」のようである。他の植物はほとんど無事な中で、これだけ食われ過ぎて変色していたので目についた。
ちなみにニセアカシアは上質なハチミツが採れる一方、侵略的外来種として生態系に悪影響を及ぼしているケースもあるらしい。花や若芽は食べられるそうなので来年からは積極的に採ってみようか。
こちらはそのニセアカシアの近くに生えていたもので、葉の形がやたら丸いのが面白くて撮ったもの。「オオカメノキ」というらしい。
葉が虫に食われやすいことから別名「ムシカリ」と呼ばれているそうだが、ほとんど食われてなかった。ムシカリの称号はニセアカシアに献上するべきじゃないだろうか。
どことなくアジサイの葉に似ているなと思ったら、調べたところ花もアジサイに似ているそうだ。
この2つも葉の形が面白くて撮ったもの。
左のハート型のものが「ヤマノイモ」。つまり自然薯だ。右のキレイな三角形の方は「イシミカワ」というらしい。
こちらは父から教わったのだが、なんと「タラノキの花」だそうだ。春の山菜からは想像もつかない姿。
晩秋の頃になると、この小さいツブツブの部分に黒っぽい実をつけるそうだ。その姿も見つけたら撮影したい。
左の暑さでくたびれ気味の花は「オオハンゴウソウ」。よく見る花だ。
こちらも生態系に悪影響のある外来種ということで、全国で駆除作業が行われているとのこと。盛岡市からも「自宅の庭などで見かけたら駆除してください」と御触れが出ていた。

一方右の写真は、てっきりこのオオハンゴウソウの花びらが落ちたものだと思っていたのだが、どうやら「ダイコンソウ」という全然違う植物の実だったらしい。
もし花が咲いていればこちらも黄色い花ではあるが、もっと枚数は少なく、前田家の家紋のように丸い花びらが5つキレイに並ぶようだ。
暑さにも負けず元気に咲いていたものたちも居る。右と左の写真、全く違う色をしているがどちらも「ゲンノショウコ」だそうだ。
下痢止めに効果があり即効性があることから「現の証拠」とのこと。薬として優秀すぎて「医者いらず」なんて地方名もあるらしい。
山に入る人間なら誰もが一度は直面したことがあるであろう「トイレが無い問題」。いざという時のために覚えておきたいところだが、花が無い状態だとトリカブトやウマノアシガタといった毒草とよく似ているらしい。大人しく市販の下痢止め薬を持ち歩こう。
こちらの栗の花に似た花をつけた植物は、調べたところ「カラムシ」「ヤブマオ」の2つが候補にあがった。
それもそのはず、「ヤブマオ」の名はカラムシの別名である「マオ」に薮を付けたもので、どちらもカラムシ属のかなり近い種であるとのこと。
今回撮影したものは、葉のギザギザ加減から「ヤブマオ」の方であると判断した。
カラムシとヤブマオの違いが分かって安堵した矢先に、こんな植物も発見。
こちらも先の2つと同じカラムシ属ではあるが、「アカソ」というまた別の植物のようだ。かつ、アカソの中でも「コアカソ」という種類らしい。
ちなみにカラムシ・ヤブマオ・アカソは全て、昔は衣服や紙の材料として使われていたそうだ。
こちらの左は秋の七草でお馴染みのだが、右の萩に似た色だがもっと小さな花は「ヌスビトハギ」というそうだ。小さ過ぎてピントが合っておらず申し訳ない。
「盗人」呼ばわりとはなんとも可哀想なことだが、この名は実が由来となっているらしい。こいつの実はひっつき虫で有名。藪の中を歩いた後、服に平たい半円形の実がたくさんくっついた経験がある人も多いだろう。アレだ。
あの形が、足音を立てないように歩いた泥棒の足跡に似ているとか、気付かないうちにこっそり忍び込む様子が泥棒のようだからとか、諸説あるらしい。

ちなみにこの植物に対してではなく、ひっつき虫自体を「どろぼう」と言う方言もあり、岩手でも一部地域で使われているそうだ。
ひっつき虫もいつか種類を集めて紹介したい。
8月のキノコの様子
雨が降り始めたことで、ようやくキノコにも出会える頻度が上がってきた。
まずは8月頭、かなり久しぶりに雨が降った直後の週末に山に行ったら出ていたのがこのボリ(ナラタケ属)
隙あらば発生するその姿勢、さすがである。一番出る季節は秋ではあるが、春だろうが夏だろうが少し気温が下がるとか雨が降るなどのわずかなスイッチで出てくるようだ。
もっとも夏のボリはすぐに腐ってしまうので、こんなキレイな状態で出会えるとやはり嬉しい。

あまり状態は良くなかったが、勝手に夏のキノコ御三家と思っている「ヤマドリタケモドキ」「ムラサキヤマドリタケ」「アカヤマドリ」の3種のイグチにも出会えた。
まずは「ヤマドリタケモドキ」
左の写真は傘色がやや薄めだが、ヤマドリタケモドキの特徴である柄の網目模様がハッキリと出ている。
右の写真もおそらくヤマドリタケモドキだとは思うのだが、網目模様が弱かったのでこういうものは警戒するようにしている。よく似た「ドクヤマドリ」というキノコがあるからだ。
ドクヤマドリの特徴は、「柄の網目模様が無い」と「肉を傷つけると少し青色になる」だそうだが、ハッキリその特徴を持つキノコにまだ直に会っていないので、少しでもその要素があれば疑っている。
続いて「ムラサキヤマドリタケ」……だと思うのだが……な、長くない??
そっと引き抜いてみたらズルズルと細長い柄が出てきてビックリ。柔らかい地面に生えていたせいでこんなことになってしまったのだろうか?
「ムラサキヤマドリタケ|長い」で検索してみてもここまで長いものは出て来ないし、キノコ界隈はほんの少し特徴が異なるだけで違う種類とされていることも多い。これが本当にムラサキヤマドリタケなのかは、ちょっと自信が持てない。
昨年の記事で「メロンパンと呼んでいる」と書いた「アカヤマドリ」は、今年も見事なメロンパンっぷりを見せてくれた。
特にカビに侵食された方のメロンパン度の高さよ。右の茶色い方はキャラメルメロンパンといったところか。
ちなみにこの2つ、こんな感じで仲良く並んで生えていた。双子みたいで可愛らしい。
こちらはおそらく「キアミアシイグチ」と思われるが、イグチ科はとにかく同定が難しい。まずは片っ端から画像検索にかけてさらに調べていくのだが、これを検索したところAIから「これはヤマドリタケモドキです」と言われた。
バカ言うんじゃないよ。色が全く違うではないか。皆さんくれぐれもAIが言うことを鵜呑みにしないように。
…と言った矢先に、これらのキノコを検索したらAIに「アカジコウです」と言われて舞い上がった筆者である。
アカジコウは見つけてみたいと思っている美味しいキノコの1つ。え、え、ほんとに!?
もし本当にアカジコウだったのなら惜しいことをした。とても良い状態だったのに。
そしてこちらは、今年初めて見つけたキノコ。調べてみると「キヒダタケ」が該当するようだが、なんとこのキノコ「イグチ科」だと言うのだ。
イグチ科といえば傘裏は菅孔(細かい穴)。いやもう「菅孔ならイグチ科」ぐらいに思っていたのに、まさかの裏切りである。
割いて観察してみたところ、確かに肉の質感がイグチ科のキノコたちとよく似ている。
中毒を起こした事例があるとのことなので食べなかったが、これは嬉しい出会いであった。
テングタケ科のキノコにもたくさん出会えた。テングタケ科そのほとんどが毒キノコだが、見た目が可愛いので夏場の散策を賑やかしてくれる。
おそらく左からテングタケ(イボテングタケ?)、ガンタケ、ヘビキノコモドキと思われる。3つとも強い毒性のあるキノコだ。
3枚目のヘビキノコモドキは、昨年見つけた数少ない食べられるテングタケ科である「ハイカグラテングタケ」か?と一瞬思ったのだが、手を出さずにおいて正解だった。
そして毒キノコといえば見ていただきたいのがこちらのキノコ。
渓流沿いで見つけたこともあり、よく湿っていて強いぬめりがあった。筆者が見知ったキノコの中では、一番近いのはナメコだと感じた。しかしどう考えても季節がおかしい。
調べた結果、これは中毒例が多いキノコ「カキシメジ」であると判断した。ヒダは密で粉っぽい香り、時間が経つと赤褐色のシミが出てくるといった特徴が一致した。

気をつけるべき毒キノコとして存在は知っていたが、今までハッキリそれと分かるものに出会えていなかったので、これは大きな収穫である。
しかし本当に「毒キノコっぽいな」という嫌な感じが全く無いキノコであった。今の季節だから強く警戒したが、秋のキノコ全盛期に出会ったらちょっと危ない。
ちなみにこの季節に出会えたのはおそらく渓流沿いだったからで、本来は初秋から晩秋にかけて発生するそうだ。これからの季節も気をつけて行きたい。
8月の虫の様子
いきなりピンボケで申し訳ない。これらはイトトンボの写真である。
汗だくになりながら必死に撮り続けたのだが、動くし細いし小さいしで筆者の腕ではこれが限界だった……。

左の写真は田んぼ沿いで見つけたもの。「アオモンイトトンボ」「アジアイトトンボ」の2つが候補にあがったが、この2つは非常によく似ている。腹の先の鮮やかな水色の部分が、腹の何節目にあるかで見分けるとのこと。結果、おそらくこれは「アジアイトトンボ」の方だと思われる。

右の写真は山の中で見つけたものだが、左のものより身体全体が青緑色をしている。こちらはどうやら「オオアオイトトンボ」という種類のようだ。
こちらは「キレイな蝶々だ!」と思いながら撮影したもの。なんとなく羽根の形に違和感を覚えながら…。
その正体は「キンモンガ」。そう、蝶ではなく蛾だったのだ。
こんなキレイな蛾ならば、大量発生しても精神的なダメージは少ないのだが……。
こちらは山の中を歩いていると、木の根元でよく見かける謎のツブツブ。長年「何だろうな〜?」と思いながら謎のままにしていた。
調べてみると「ゴマフボクトウの幼虫の糞」という情報が出てきた。まず「ゴマフボクトウ」が何か分からずさらに調べると、まぁ結果はこちらも蛾だったわけだが、これが案外めんこい蛾なのである。
虫耐性がそこそこある人はぜひ調べてもらいたい。いつか糞ではなく本人にも出会いたくなった。
オマケ:筆者宅のカメの話
この連載で度々顔を出してきた筆者宅のクサガメ「カメキチ(♀)」。
2年ほど前から年に1度卵を産むようになったのだが、なんと今年は既に3回も産卵した。
単独飼いなので当然無精卵。1つ失敬して割ってみるとこんな感じ。
殻の外側は鶏卵と同じくらい硬いが、すぐには割れず和紙を引きちぎるように開けた。割るというより破るという感覚。
黄身はサイズが小さいが鶏卵とあまり変わらない。白身は液体よりゼリー状に近くプルプルとしていた。

どうやら世の中にはこれを食べてみた猛者も居るようなのだが……私はまだ勇気を出せずにいる。
いつか覚悟を決めて食べてみた際には、ここで報告しよう。


以上、2025年8月の里山の様子をお届けした。
来月も楽しい出会いがありますように。
イグチ アイコの画像
岩手で生まれ、岩手で育ち、岩手の野山でキノコなどを探して徘徊している妖怪。主に山の話をします。本当はインドア派。
最近釣りも始めて休みがいくらあっても足りない。夢は定年退職。
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