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山菜の王様「シドケ」の見分け方
2026.05.13
里山と釣り大好きライターによる連載「とてちてくうべし」では、食材を採るところから食べられる状態にするところまでの様子を紹介していく。
今回は「シドケ」(モミジガサ)の採り方、下処理や保存方法、おすすめの食べ方を紹介しよう。
※筆者はきのこ/山菜の専門家ではありません。この記事の情報だけできのこ/山菜の同定を行うのは絶対におやめください。
※下処理や調理の方法は家庭で楽しむことを前提としております。販売等を行う際の参考にするのはおやめください。
※天然のものを口にする際は自己責任でお願いします。
ライター:イグチ アイコ
シドケを採ろう
今回のテーマは「山菜の王様」と称されることもある「シドケ」
独特な香りや苦みが強いため苦手な人も多いが、そのクセの強さこそ山菜好きにはたまらない魅力だ。
正式名称は「モミジガサ」と言い、全国的に人気なので様々な俗称がある。
西の方では木の下に生えることから「キノシタ」と呼ばれ、転じて木下藤吉郎(豊臣秀吉)にちなんで「トウキチ」と呼ばれることもあるのだとか。

採取する時期は4月下旬から5月中旬頃で、筆者が主に採りに行く場所はゴールデンウィークの頃なので少し記事を公開するのが遅くなってしまったが、雪が多い地域や標高が高い場所ならばまだ食べられるものを見つけることができるだろう。
生える場所は日当たりが悪く、近くに沢が流れているようなジメジメした雰囲気の場所。しかしそこそこ水捌けが良い必要もあるようで、湿地のような場所よりは急斜面で見かけることが多い。(写真は日当たり良さそうに見えるが、これも山の北側の斜面)
そのため山奥の危険な場所であることが多いので、散歩感覚で気軽に採ることが出来ず天然のものは高級食材となっている。特にブナ林のものが太く質が良いそう。

入手困難でありながら人気は高いので、最近は栽培したものを販売しているケースが多いようだ。入手しやすい場所で見つけた場合は、栽培されているものではないか十分に気をつけよう
シドケではまだ見たことが無いが、人家の無い山の中でも栽培や研究用にネットで囲われている山菜を見かけることがある。そういう場所では決して採取しないように。
採るのは15cmくらいまでの高さで、茎の太さが1cm近いものが良い。
土壌によっては5mm以下の貧弱なものしか生えない場所もある。葉よりも茎をメインに味わう山菜なので細いものは放置しよう。(上の写真なら左右の2本を採り、あとは残す感じ)
30cmほど伸びたものでも、上の方のまだ茎が柔らかい部分は食べることが出来るが、あまりおすすめできない。理由は後述する。

採る時はワラビを採る時のように、手で茎を下から上に向けて軽くつまんでいくと自然に折れるポイントがあるので、そこで折り採る。
売るために採取する人は見栄え良くするためにハサミで切ることもあるようだが、これもあまりおすすめできない。

大きく伸びたものの採取と、ハサミで採ることをおすすめしない理由。

それは……

猛毒のトリカブトと間違えないようにするためである。

2016年にシドケとトリカブトと間違えた死亡事故が起きている。他の山菜だが、今年岩手で貰い物の山菜で起きた死亡事故も記憶に新しい。
自分では採取しないという人も、特徴を知っておいて損は無いだろう。
上の写真はシドケとトリカブトが近くに生えている様子。似た環境を好むようで、よく一緒に生えている
トリカブトの方がシドケよりも発生する時期が早いので、出て来たばかりのシドケならトリカブトより背が低く見分けやすいのだが……
30cm近くまで伸びたものだと、見分けるのが難しくなってくる。
基本的にはシドケは葉の表面の光沢が強く、トリカブトは光沢があまり無くて色が薄いケースが多いので見分けがつくのだが、上の写真のように光沢強めで色も濃いトリカブトもあるので油断できない。
そしてもう1つのハサミで採ることをおすすめしない理由だが、稀に背丈でも判断できないことがある。
上の写真は今までに筆者見た中で一番見分けるのが難しかったもの。ちょっと元気が無かったのか、葉がクタッとしなだれて背が低く、シドケによく似ていた。
こういう時は手応えで判断するのが良さそう。一応筆者は今のところ、上記のケースも見た目で判断することは出来たが、念の為トリカブトもシドケのように採って違いを確かめようとしてみたところ……
トリカブトの茎は硬くしなやかで、手で簡単に折ることは出来なかった。
たくさん群生しているのに出会うと、夢中になってよく観察せずに採ってしまうこともあるだろう。そういう時に少しでも多く違和感を感じるために、手での採取をおすすめする。
(環境や成長度合いで茎の硬さが異なる可能性があるので、この見分け方も過信しないように)

ちなみに群生することが多いシドケだが、採りすぎると次の年から生えなくなることがあるので採り過ぎには注意だ。シドケに限った話ではないが。
下処理や保存の仕方
シドケはクセは強いが、アク抜きなどの面倒な処理は不要だ。生のまま天ぷらにする場合は、ざっと洗って虫や汚れを落とす程度でOK。
ただし、なるべく採取したその日に調理や保存処理をする方が良い。翌日に処理しようとしたら葉が傷んで真っ黒になってしまったことがある。
プロは採ったその場でフキの葉などにくるんで持ち帰るようだ。今度からマネさせてもらおう。
1週間ほど保存する場合は、洗ったシドケを生のまま湿らせた新聞紙にくるみ、ビニール袋や野菜用の保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れよう。
おひたしなどにしてすぐに食べる場合は、沸騰したお湯に茎の根元から入れて1〜2分茹でる
この時、塩をひとつまみ加えると色が鮮やかになるらしい。
クセが強すぎるのが嫌な人は、茹でた後にしばらく水にさらしておくと良い。
香りが落ちるのでクセ強好きは熱を冷ます程度でOK。

長期間保存する場合はサッと硬めに茹でて水気を切り、小分けにして冷凍しておこう。
おすすめの食べ方
シドケの魅力を余すことなく味わい尽くすならば、やはり「おひたし」にするのが一番だ。
醤油やマヨネーズをかけるのも美味しいが、私は塩だけで食べたい派。

5きげんテレビの知恵袋のコーナーで美味しいおひたしのコツが紹介されていたので、今度食べる時は参考にしようと思う。
おひたしだとクセが強すぎるという人におすすめしたいのが、「シドケの肉巻き」
個人的にシドケの味は肉とチーズによく合うと思っている。茹でたシドケをチーズと一緒に豚肉で巻いて焼くと絶品。
シドケのクセはマイルドにはなるが濃い味付けにも負けないので、十分シドケの良さも味わえる。
天ぷらや肉巻きは手間がかかるから……という人には、シンプルに「茹でたシドケをインスタントラーメンに入れるだけ」もおすすめ。
味噌汁は他の具材との相性次第ではちょっとエグみが気になるので、味の濃いものに入れた方が無難。

アウトドア用のシングルバーナーと鍋と一緒に持って行き、採ったその場でアウトドア飯をするのにもおすすめな食べ方だ。
ちなみにこの写真ではシドケの他にコゴミも入れている。


以上、今回の「とてちてくうべし」はシドケの採り方・食べ方をお送りした。
今年も山菜採りの人が熊に襲われる事故が頻発している。以下の記事も参考にしつつ採取場所には十分に注意しよう。
今の季節はこちらもオススメ!
イグチ アイコの画像
岩手で生まれ、岩手で育ち、岩手の野山でキノコなどを探して徘徊している妖怪。主に山の話をします。本当はインドア派。
最近釣りも始めて休みがいくらあっても足りない。夢は定年退職。
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