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#5 いわて里山散歩|2024年4月の画像
#5 いわて里山散歩|2024年4月
2024.04.30
里山大好きライターの不定期連載「いわて里山散歩」。
今回2つ目の記事は4月の里山の様子をお届けする。
※天候や大人の事情で更新が滞る可能性があります。ご了承ください。
※筆者はきのこ/山菜の専門家ではありません。この記事の情報だけできのこ/山菜の同定を行うのは絶対におやめください。
ライター:イグチ アイコ
どうも、連載再開1発目の更新が大変長くなってしまったため、2回に分けてお送りしております里山散歩。
冬から初春にかけての里山の話は、1つ前の記事にて紹介しているので、良ければそちらも見てもらえると嬉しい。
4月7日〜4月20日の里山の様子
今年の春は、なんだかペースを乱されている。早い!と思ったり、いやむしろ遅れてる!?となったり...
左:2024.2.18撮影 右:2024.4.7撮影
これは我が家の庭の「ばっけ」だが、いつもなら雪に覆われている2月にもう顔を出してしまい、採り始める時期にはすっかり伸びて、今年はちょうど良い時期を逃してしまった。
ばっけと言えば東北では「ばっけ味噌」として食べるのが主流だと思うが、私はあの甘さがどうしても苦手で...我が家では梅肉とあえて「梅ばっけ」にして食べている。
こいつを薬味としてちょっとサバの塩焼きとかに乗っけて食べるのが、最高に美味い。
山に向かって最初に出会ったのは「ツクシ」
西日本の方ではポピュラーな食材らしく、山菜とは縁が無さそうな都会の友人も普通に食べていると言っていて驚いた。
私も一度だけ、ラーメンに入れて食べたことがある。ラーメンの味がした。
こちらは山菜シーズンが本格的に始まる前に、春の味として食べることがある「ギシギシ」
「草じゃん」と思っただろう。私も教わった時、「草じゃん」と思った。
写真の拡大部分の中央あたりにある、サヤに包まれたような新芽の部分を食べるのだが、強いぬめりがあって採るのがちょっと大変だ。
食べた感じは...かたまりのモロヘイヤを食べてる...みたいな感じだろうか。
絶対方言だと思って調べたら、なんと正式名称だったギシギシ。衝撃。
もう1つ、山菜シーズンの前に食べている草「ノカンゾウ」。うちでは「かっこ草」と呼んでいる。
これも最初は他の草と見分けがつかず、ただ草だとしか思えなかったが、不思議と野草・山菜は一度覚えてしまうと見分けがつくようになる。
さっと茹でて、マヨネーズと和えたりして食べる。シャキシャキした歯ごたえが魅力だ。
全くと言って良いほどクセが無いので、野菜が苦手な人でも食べられると思う。味は味付けが美味けりゃ美味い。
こいつも今年は成長が早く、一番良い時期は逃してしまった。写真の状態は食べるには少し伸びすぎである。
そんな野草たちを摘みつつ、本命の山菜たちの様子を見るのが定番の流れなのだが、野草の成長速度に比べて山菜の芽が出るのは少し遅れ気味...
かと思ったら、そこからの成長が非常に早く、週末しか山に行けない会社員にとっては厳しい春であった。
左:2024.4.13撮影 右:2024.4.20撮影
山菜の代表といえばやはり、「タラボ(タラの芽)」だろう。生えているのはよく見かけるが、採取するのは意外と困難な山菜である。
採りやすい状態で生えているのは人の手が加わっている環境のため、誰かが管理している場所がほとんど。自然に生えているものも道路沿いのことが多いので、遠方から来た山菜ハンターがほとんど採ってしまっている。
まぁ食べる時はだいたい天ぷらで、いっぱい食べると胃がもたれるし、天然のはなんか虫がいっぱい付いてるし、トゲが刺さって痛いし、苦労して採るよりは買ったほうが良いと思う。
ちなみに普通のタラボは伸びすぎると堅くて食べられなくなるが、「モチタラボ」というトゲが無い種類ならばある程度伸びてしまっても食べることが出来る。
山菜ハンターの熱気が落ち着いた頃でも間に合うので、探すならばこちらがオススメだ。
左:2024.4.13撮影 右:2024.4.19撮影
筆者の本命はタラボよりもこちらの「コシアブラ」
クセの強さゆえにタラボほどの人気は無いのだろうが、山菜好きならばこれくらいじゃないと満足できないという人も多いのでは無いだろうか?
味はもちろんのこと、山菜の中でダントツに処理や調理の手間がかからないことも魅力だ。
炊きたての白いご飯に、塩昆布や梅干しと一緒に生のコシアブラを混ぜるだけで、最高の山菜ご飯が出来上がる。
きざんだ生コシアブラを、ネギのように納豆にかけるのも美味い。チーズにも合うことが最近分かった。
こちらはタラボによく似ているが、「ハリギリ」という山菜。タラボよりも凶悪なトゲをしている。
実は私はこれを食べたことがない。父がアレルギーだからだ。
山菜はきのこに比べて毒があるものと間違うことは少ないが、こういうケースもあるので食べ慣れないものには気をつけよう。
これも早い時期の定番山菜「行者ニンニク」だ。
調理されたものしか見たことがない人はビックリすると思うが、これも結構普通に草だ。
そしてこいつは、採る時にちょっとだけ注意が必要である。
左:行者ニンニク 右:コバイケイソウ
行者ニンニクが生えている場所には、必ずと言って良いほどよく似た「コバイケイソウ」が生えている。最初の写真くらい大きいものならば見間違える危険は少ないが、小さいものだと結構間違いやすい。
基本的には行者ニンニクは葉の表面がツルッとしていて、1株から出る葉が2枚程度、根本の赤い薄皮といった特徴で見分けられるのだが、環境によってはお互いに歩み寄って同じ顔で一緒に生えていることがある。
しかし、行者ニンニクには見た目以外のところで最大の特徴があるから安心して欲しい。
行者ニンニクは別名「アイヌネギ」と言う。ニンニク、そしてネギ。そう、最大の特徴とは「匂い」だ。少しでも怪しいと感じたら匂いを嗅いでみると、強烈な刺激臭がするので間違うことはない。
とか考えていたら、件のコバイケイソウ、なんと別の山菜であるウルイと間違えての食中毒が先日ニュースになっていた。
うーん、その間違い方は予想外だった。今回ウルイの写真は無いが、今度見つけたら撮っておこう。
ちなみに筆者はウルイとミズバショウを間違えたことがある。その話もいつか機会があったら書こう。
最後に、山菜も良いが春といえばやはり、花!
私の今年の花見はコレだ!!
......どうか可哀想な目で見ないで欲しい。
悪いのは写真の腕なのだ。倒木に巻き込まれた桜の木が、その苦境にめげずに花を咲かせている姿は、本当に美しかったのだ...。
満開の桜並木も素敵だが、私はとにかく人が集まる場所が苦手なので、こういう誰も来ない場所でひっそりと毎年桜を楽しんでいる。
こちらは毎年、一番最初に山の中で色づく花。「ショウジョウバカマ」というらしい。
笹薮を抜けた先で見つけた、カタクリの群生地。
鹿道すらない薮を漕ぐのは大変だが、たまにぽっかりと自分だけの花畑を見つけることがあるので、放置林散策はやめられない。
こちらのよく似た2つの花、スマホで調べたらどちらも「キクザキイチゲ」と出て来たのだが、葉の様子がどうも違う。
もう少し調べてみたところ、青い方が「キクザキイチゲ」で、白い方は「アズマイチゲ」かなと思う。
スマホは便利だが、やはり鵜呑みは良くないようだ。
こちらは山菜を採っている最中に、ふと見上げたらあったモミジの花
モミジって紅葉の時にしか意識して見てなかったが...そうか、花が咲くのか...!そりゃ咲くか!!
このアングルだと分かりづらいが、小さな赤い花たちがサクランボのようにたくさんぶら下がって居て、とても可愛らしかった。
4月28日の里山の様子
この日の目玉は、きのこ好きたちが春になるとソワソワし始める、こちらのきのこ!
「アミガサタケ」だ!!
初めて見た人は不気味で気持ち悪い印象を抱くかもしれないが、フランスでは「モリーユ」と呼ばれる高級きのこだと聞いたらどうだろう?
見る目が変わったのではないだろうか?

食用として人気ではあるが、実は毒があるので注意が必要なきのこ。なのだが...
初めて見つけた時、ネットの情報を頼りに茹でこぼして毒抜きをしておき、そこからさらに調理の際に熱を加えて食べてみたところ、味も香りもほとんど感じられなかった。
さらに調べると少し信憑性が薄いサイトに「乾燥させれば毒が抜ける」といった旨の記載があり、翌年は食中毒覚悟でそのまま乾燥し、調理の際に戻し汁も使ってみたら美味しく食べることができた。今のところ不調も無い。
とはいえ、マツタケや市販のマイタケの方が美味しいなというのが正直な感想。きっと一流の知識や腕があって初めて魅力を引き出せる食材なのだろう。
食べてみたいという人は、おとなしく取り扱ってるレストランを探そう。
本当はこの日は、写真のものより傘が黒く尖ったタイプの「トガリアミガサタケ(ブラックモレル)」が目当てだった。
しかし例年より発生が早いようで、出会えたのはブラックよりも遅れて発生するイエローモレルのみ。
今年はタイミングが合わなかったと諦めるしかないかもしれない。
ちなみにこのアミガサタケ、現在岩手で栽培の研究が進められており、ときどきその成果を新聞で見かけることがある。
特にトガリアミガサタケの情報を広く募っているので、自宅の庭で見つけたりした時はぜひ提供してみよう。
研究が進めば、岩手の新たな特産品となる日が来るかもしれない。私も把握している発生ポイントは全て情報提供している。
 
もう1つ、5月の連休頃から様子を見始めるきのこがある。
春というよりは夏のきのこで、いつもなら藤の花が散り始める頃にちょうど良い大きさになっているのだが...
今年はもう既に、巨大になって虫までたかっていた......
こちらは「タモギタケ」というきのこ。東北では馴染みが無いが、北海道では栽培もされて普通に売られているらしい。
ヒラタケの仲間だが少しクセが強いので、和風パスタとか中華料理に使うととても美味しい。
もっと若い状態だったなら、見た目も花のように鮮やかで大変美しいのだが...
幸いこのきのこはこれからの季節、同じ場所に何度も繰り返し発生するので、タイミングが合えば綺麗な姿をお見せすることも出来るだろう。
続いては山菜の話。まずはメジャーな「ゼンマイ」から。
ゼンマイには採取する際にマナーがあるため、注意が必要である。
左:男ゼンマイ 右:女ゼンマイ
ゼンマイはよく見ると2種類の見た目がある。左のモサモサとした葉を抱えた力強い見た目のものが「男ゼンマイ」で、右のツルッとしてたおやかな方が「女ゼンマイ」と呼ばれている。
男ゼンマイの方を採ってしまうと、次が生えて来なくなると言われているため、食用で採取する際には女ゼンマイの方だけを採るようにしよう。
だがゼンマイの大変なところは採った後の下処理。アクを抜いたり乾燥させて保存するが、乾燥させる場合は数時間おきに手揉みする作業をしなければならず、かなり時間と手間がかかる。
普通に売られているので、これも買った方が良いと思う。
次は「コゴミ」。こちらも今の季節に産直に行けば必ず並んでいるメジャーな山菜。
どこにでも大量に生えているのだが、食べるのにちょうど良いものを探すのは意外と難しかったりする。
だいたいうどんくらいの太さがあると良いが、場所によっては蕎麦くらいの細さのヒョロヒョロしたものしか生えないこともあるし、成長が早いのですぐに伸びすぎてしまうのだ。
この日もほとんどが伸びすぎだったが、なんとか写真くらいのちょうど良い長さのものをいくつか見つけることが出来た。
アスパラのような感じで料理に使えるので、使い勝手が良いのが魅力。
こちらは「ワサビ」だ。根っこをすりおろして使うイメージしか無い人が多いと思うが、天然物で使うのは葉と茎。
栽培されているもののような太い根が出来る環境は、自然にはなかなか無いらしく、一度掘ってみたことがあるのだが小指程度の太さのものしか出て来なかった。
葉と茎でも十分に辛さが出るし、シャキシャキとした食感も楽しめるので、私は葉ワサビの方が好みである。
一口大にちぎったワサビに、沸騰する一歩手前くらいの温度のお湯をかけると、爽やかな香りが広がる。それを大きめの瓶に入れて振れば振るほど、強烈な辛さになる。
続いては筆者がコシアブラと並んで大好きな山菜、「シドケ(モミジガサ)」だ。コシアブラ同様、クセが強く人を選ぶ味だが、それこそが魅力。
クセを存分に楽しみたい時はおひたしにして塩だけかけて食べる。肉巻きにするのも美味しい。
ちなみにこの山菜は以前、山の注意点について書いた記事の中で「トリカブトと間違えやすいと言われている」と紹介したことがある。
左:シドケ 右:トリカブト
せっかくなので並べてみた。似てるだろうか? 確かに一瞬見間違うことはあるが...
この写真で違いが分からなかったという人は、山菜は買って食べよう。
最後に紹介する山菜はこちらの「アイコ(ミヤマイラクサ)」。採取する際、最大限に注意が必要な山菜である。
葉や茎にびっしりと小さなトゲが生えており、うっかりこれに触れようものなら、火傷のような激痛にしばらく襲われることになる。軍手程度の防御では全然防げない。何か掴める道具を持って採取することをオススメする。
そんな凶悪な植物をどうやって食べるのかというと、このアイコは極端なツンデレ。少し茹でてやるだけでデレデレになってしまうのである。なかなかに可愛らしいやつだ。
茹ですぎるとデレデレを通り越してデロデロになってしまうので注意。程よく茹でられれば、ポクポクとした食感が楽しめて大変美味しい。
ちなみに「アイコ」と聞いて、気付いた人は居るだろうか?
筆者のライターネーム「イグチ アイコ」のイグチはきのこが由来であることは以前に書いたが、アイコの由来はこの山菜である。
本名が「愛子ちゃん」だと思っていた人がもし居たら大変申し訳ない。本名とは一切、1mmも関係ない。
さらに言うなら性格も全く、山菜のアイコのような萌えキャラではない。
この時期に山に入るとたくさん咲いている、この可愛い花は「ニリンソウ」
某北海道を舞台とした、アイヌ文化にも詳しく触れている漫画の中で、「肉を旨くする」として紹介されていた花である。
筆者も数年前に大いにハマり、登場する料理を再現してみたりしたものだが(さすがにリスの肉とかは鶏肉とかで代用した)、肉を旨くするような効果は...特に感じられなかった。味も特になく、食感を少し感じる程度...。
それ以来、ただ眺めて愛でるだけに留めている。
オマケ
うちの畑で、白い菜の花を見つけた。
というのは冗談で、こちらは大根の花
冬の間に埋めてたものを、掘り起こさずに放置してたら咲いていたとのこと(笑)
初めて見たが、こんなにキレイな花が咲く植物だったのか。
もう1つオマケに、3月の末頃に庭に咲いていたクロッカス。
結構キレイに撮れたので載せておく。
 
イグチ家のクサガメ:カメ吉
再開早々、かなりのボリュームになってしまったが、山菜の季節はまだ前半。
連休中もたくさん山を歩いて行こうと思っているので、次回もお楽しみに。
イグチ アイコの画像
岩手で生まれ、岩手で育ち、岩手の野山でキノコなどを探して徘徊している妖怪。主に山の話をします。本当はインドア派。
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