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「書かさらない!」思わず使っちゃう岩手の方言ランキング
2025.03.18
テレビ岩手の公式アプリ「てれリンク」にて、「意味が伝わらず驚いた方言を教えてください」とアンケートを行ったところ、標準語だと思って使ったら県外には伝わらなかったものから、方言とは分かってはいたが県内にすら伝わらなかったものまで、たくさんの回答をいただきました!
上位10ワードに寄せられたみなさんのエピソードを中心に、思わず使っちゃう岩手の方言の数々をご紹介します☆
【第10位】あめる
意味:腐る
栃木の人には「すいる」、東京の人には「腐る」と言わなければ通じなかった。40年以上も前の話です。
他にも「いたむ」など言い換えは色々ありますが、夏場にうっかり冷蔵庫に入れ忘れた食べ物が糸を引いた時、つい「あめでら〜!」と言ってしまいますよね。
主に食べ物に使うケースが多いですが、ベタベタしはじめた物に使うこともありますね。
【第9位】まかす
意味:こぼす
東京の喫茶店で水を注いでくれた店員さんが、他のお客さんに呼ばれてよそ見した際に水がこぼれ、「まがってるよ」と言いましたが気付いてもらえませんでした。
「東京の人には“負かす”と解釈されました」という声も。
「ぶちまける」であれば標準語でしょうから伝わりそうに思いますが、すぐには分かってもらえないかもしれませんね。
【第8位】だから
意味:同意する際の相槌
相手の話に「そうだよね」と思い「んだから」と返したところ、相手の人は「えっ」て顔をして「今の話これで終わりなんだけど」と言われ、方言なんだと気づきました。
これぞ東北人あるある!話が盛り上がると反射的に言ってしまいますよね「んだがら!!」
こちらが同意する時だけでなく、相手が同意してくれた時にも「そうなのよ〜」という感じで「だがらよ〜」と返したり、いろんなバリエーションがありますね。
東北以外にも、九州や沖縄で同じ使い方をする地域があるようです。離れた地域に伝わる方言には、北前船のような流通で広がったもの、中央から広がったが地方にだけ残った古語、たまたま自然発生したものなど色々あるそうですが、「だから」はどれに属するんでしょうね。
【第7位】(髪を)けずる
意味:(髪を)とかす
「“とかす”じゃない?鉛筆を削るとかには使うけど髪の毛けずったら怖いよ」って言われました。県北では普通に使っていたので指摘された事にビックリしたのと、また何か言われるんじゃないかと話すのが怖くなりました(笑)
女性の方から多く寄せられた方言です。
おそらく語源は「くしけずる」で、しっかり辞書にも載ってる言葉であり、かつ雅な響きの素敵な言葉です。恐れず堂々と使っていきましょう!
ただ、「頭をけずる」だと間違って解釈された場合ちょっと怖すぎるので、「髪」にしておいた方が無難ですね。
【第6位】うるかす
意味:水に浸しておく
「ん?それなら、“水入れといて”で良くない?」と言われました。
違いますよね〜!「水入れとく」「うるかす」は違いますよね〜!!
「水入れとく」は容器に対してであって、大事なのは容器の中のものが「うるかされる」かどうかなんですよ。中のものがうるかされる前に水捨てちゃったら意味ないですもんね。
言い換えるとしたら「ふやかす」でしょうか?でもちょっとニュアンスが違うような気がしますね。
【第5位】けっぱり・きゃっぽり・タコつった
意味:靴の中に水が入ること
紫波地域では「けっぱり」が当たり前だと思ってたのにあちこちで言い方が違うのにびっくりする!
内陸に住んでいる時でした。スポ少のお母さん達に「来る途中で、蛸釣ってきちゃて~靴がビチョビチョ~靴下まで濡れちゃった」と話したら、反応が「??」で…そこから、各地の方言で盛り上がったのは言うまでもありません。
こちらは「岩手県内で通じなかった」というエピソードが多く寄せられた方言。
大きく分けると内陸が「けっぱり」系、沿岸が「タコつった」系のようですが、同じ市内であっても言い方が異なる非常にバリエーション豊かな方言です。
(ちなみに筆者の地域では「かっぽり」です)
【第4位】ひゃっこい・しゃっこい
意味:冷たい
大学生の時。県外出身の人と友達になり、その人の家に遊びに行って屋根から垂れた水がちょうど首にかかり、思わず「ひゃっけ!」と言ったら「え??なんて?」と聞き返され、しばらくマネされました。
まわりにいた人が、こちらを見た(関東方面)
とっさに叫んでしまう言葉なので、方言を使わないように気をつけていたとしても、つい言ってしまいますよね。
「冷やっこい」から来てるだろうことは県外の人でもすぐ分かりそうなものですけど、意外とびっくりされやすい言葉です。
【第3位】かます
意味:かき混ぜる
息子のお嫁さんが来た時に「鍋かまして!」と言ったら「???」。自分がなまってると思ってなかったです(笑)
大学時代に仙台に住んでおり、他県(栃木県、広島県、福島県)の友だちと素麺をゆでていて、ふきそうになったので思わず「かましてー!」と言ったら、「えーなにをカマすの???」って友だちは混乱してしまい、お鍋をふかせてしまいました(笑)
当たり前によく使う言葉でありながら、他の地方では別の意味となってしまうのでトラブルが起きやすい言葉ですね。
笑い者にされたという苦い思い出がある方もいらっしゃいましたが、安心してください。東北人はみんな使います!
とはいえ、「ぶちかます」と解釈されてお鍋をひっくり返されないよう注意したいところ。
【第2位】(ゴミを)なげる
意味:(ゴミを)捨てる
東京へ進学した娘の話です。学祭の片付けをしていた時、袋にまとめておいたゴミを当番の友達に「なげておいて」と渡したら、「えっ?ここから?無理、届く訳無いでしょう?」と大爆笑だったそうです。
孫に「なげろ」と言ったら、「投げたら部屋が汚れる」と言われた(笑)
こちらも「かます」と同様、日常的に無意識に使ってるけど別の意味として受け取られやすい言葉ですね。
いただいたエピソードの中には、本当にその場でゴミを放り投げていったという猛者も......。
【第1位】〜ささらない(書かさらない・押ささらない など)
意味:うまく使用出来ないものに対して
私が福島出身で、夫が使う言葉です。最初の頃は「えっ(どういうこと)」と思って一瞬時が止まっていましたが、なんだか可愛らしい言い方だなと思って、今は私も使っています。イントネーションの上げ下げが大きい岩手の方言が大好きです。
「真ん中の『さ』の意味ってなに?いらなくない?」と言われた。
「書かさらないって言い方、不思議!」って言われました。他になんて言うのか分からなくて、「標準語でなんて言うの?」って逆に聞き返しちゃいました。「書けない」でいいと言われたけど、それだと「今まで書けていた」っていう意味が内包されていないので、「なんか違う」って伝えました。
最も多くの回答をいただいた方言は「書かさらない」でした!
最近SNSで話題になっていたのも理由の1つかもしれませんが、やはり「他に言い換えられない」ということが一番の勝因でしょう。
「書けない」とは違うんですよね〜。「書けない」だと、まるでその物や使用者に使うための機能が備わっていないかのようなニュアンスに感じます。
本来は書けるはずなのに、インクが切れたり詰まったりといったトラブルがあって書けなくなっている状態。それが「書かさらない」なんですよね。

同様の方言として他に「(ボタンが)押ささらない」「(鍵が)刺ささらない」という回答もありました。「刺ささらない」はさすがに「さ」が多くて言いづらいので、発音する時は「刺ささんない」になりますかね。
その他の方言
他にもたくさんの方言を回答いただきました!
エピソードは割愛させてもらいますが、方言とその意味だけご紹介します。
すったけっちゃね~
めちゃくちゃ、雑然としている
ぼんぼ
鉛筆の芯の先が丸くなった状態
(傘を)かぶる
(傘を)さす
こまい
細かい
冷風麺
冷やし中華
ちょうす
ちょっかいを出す
せっこぎ
めんどくさがり
ねごまる
(雪などに)はまる
すっぱねはねる
飛び散った泥などが服についた状態
そっぺ
トゲより小さい針状のもの
寝て起きてくる
仮眠してくる
(ガソリンを)つめる
(ガソリンを)入れる
なんたら!
大変!
ほいぢょ
包丁
つだしてけで
取ってほしい
おごご
漬物
こちょがす
くすぐる
ぼんこ
大便
ズック
上履き
めぐさめんこい
ブサかわいい
たがぐ
担ぐ、持つ
えんづい、いづい
しっくりこない、居心地悪い
こどだ!
大変だ!
おしょす
恥ずかしい
たますぽろぎした
非常に驚いた、肝を冷やした
まめすがったか?
元気でしたか?
けっちゃ
衣類などを表裏/前後を逆に着ている状態
かっちゃく
引っかく
〜っけ
「〜したっけ」「〜だったっけ」など、語尾に付ける言葉
んだごった
そうだろう
ばっけ
フキノトウ
えらすぐね
腹がたつ
あべ!
(一緒に)行こう!
口あんべぇ
口当たり
のうしてください
取ってください
ふどる
(雪に)ずぼずぼ入る
おだま
お手玉
たごまる
着ている服の布などが1箇所にまとまってしまった状態
はだげる
器にわずかに残ったものをこそげ落とし(食べ物なら食べきる)、器を片付けられる状態にすること
ながまる
休む、ゆっくりする
おどぎゃ〜
あご
あくど
かかと
まなぐ
すはんこ
布巾
おしっこつまる
トイレが我慢できない
ほけ
墓参り
じょげる
甘いものを食べ過ぎて気持ち悪くなる
ぺっこ
ちょっと、ちょっぴり
こだれてる
衣類が着崩れているなど、だらしない状態
こっくらまっくら
暗い場所
くろぢ
打身などで内出血して黒ずんだ部分
のろし
運動会やお祭りの開催を告げる音花火
どんぶく
はんてん
一部「汽車」や「下駄箱」など、地域というより世代の違いで伝わらないケースが多そうなものなどは除外させてもらいましたが、これだけ多くの方言が集まりました!
皆さんも「これって方言だったんだ!」とか「あれはそういう意味だったのか!」と思うものがあったのでは?

「バカにされて恥ずかしかった」というエピソードも多数寄せられましたが、「おどぎゃ〜=おとがい」「まなぐ=まなこ」「けな=かいな」のような古語の名残があるものがあったり、標準語では表現しきれない繊細なニュアンスを伝えるものがあったり、美しくて残していくべき言葉だと思います。
方言を使ってきた人も、今までは使わなかったという人も、積極的に使ってもらいたいですね。

ちなみに筆者が好きな方言は「べごっこのこっこ」(仔牛)です。
皆さんの推し方言は何ですか?
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