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釣りを始めてみよう|堤防/岸壁釣り編
2024.06.24
今や老若男女の垣根なく人気のレジャーである釣り。
「始めてみたいけど何から始めたら良いか分からない」という人のために、テレいわ屋ライターのイグチが初めて釣りにチャレンジした体験記や学んだことを初心者目線でお届けする。
ライター:イグチ アイコ
はじめに
どうも、イグチ アイコです。
普段は父が渓流釣りを楽しむかたわら、近くでキノコや山菜を探している私。今まではそれらに夢中で釣りには一切関心をもっていなかったのだが...「せっかく目の前に釣りに詳しい人がいるのだから、釣りも始めてみよう!」と、この度釣りに手を出した次第である。

とはいえ、自分でもある程度は知識を身につけなければと、色々と釣りについて調べてみたところ...
釣り、めちゃくちゃ難しい!!!
人気が高まっているだけあって、数多くの釣り専門サイトがあり、初心者用のコーナーも山ほどあるのだが...
それらのサイトは「もうすでに詳しい人」が書いており、いきなり「知ってて当然」という顔で専門用語が飛び出すところがほとんど。私のような右も左も分からない、初心者にも満たない者は釣りをする前から溺死してしまいそうな気持ちになる。

ということで、この記事は「釣りに入門するための入門編」とし、出来るだけ特殊な言葉は使わずに、「釣りってこういうものなんだな」ということを、なんとなく把握する手助けになれたらという思いで書かせていただく。
一応、何十年も渓流釣りを経験してきた我が父の監修のもとで書いているので、その点は安心して欲しい。(と言いつつ、海釣りに関しては父も数年前に始めた初心者なので、少しふわっとしたところがあるのはご容赦願いたい)
釣りの種類を知ろう:場所について
私と同程度の「釣り知識ゼロ」の人間が思う釣りのイメージは、「竿に糸と針が付いてて魚が獲れるもの」であり「水があるところならどこでもやれる」といった感じだろう。
だが実際は物凄く種類が細分化されており、どこでも好きに釣りをして良いわけではない。
まずは「場所」がどのように分けられてるかをざっくりと紹介する。
海の釣り
  • 沖釣り:船を使って岸から離れた場所でする釣り。
  • 堤防/岸壁釣り:コンクリート等で造られた人工の岸でする釣り。
  • 磯釣り:天然の岩の上でする釣り。初心者には危険。
  • 砂浜:文字通り砂浜でする釣り。
海の釣りは大きく分けるとこんな感じ。
岩手の海では、竿を使っての釣りは基本的には禁止されていないようなので、比較的ハードルは低い。
ただし、海藻・貝類・魚以外の動物類を獲ることは禁止されていたり、場所によっては釣り禁止となっているところもあるので注意しよう。
川の釣り
海では「一部禁止されている場所がある」なのに対して、川での釣りは「ほぼ遊漁券という許可証が必要」になる。
  • 渓流:河川の上流部(山の方のワイルドな川)でする釣り。
  • 中流域:街中とかを流れる大きめの川でする釣り。
  • 河口:海の近くの海水と淡水が混じり合うあたりでする釣り。
  • :文字通り湖でする釣り。
河口は海釣りに分類されていることもあるが、遊漁券が必要になる場合もあるので川の方に入れさせてもらった。同じく、湖も遊漁券が必要な場合があるのでここに入れている。
遊漁券がいらない川もあるが調べる必要があるし、魚の種類によって釣って良い時期が制限されていたり、釣りの道具の制限も川によって違うなどルールが多く、海よりもハードルが高い。
その他の場所
  • 池/沼:ため池など小さな水場でする釣り。基本禁止だと思っておいた方が良い。
  • 釣り堀/釣り公園:釣り用に管理されている場所でする釣り。
結局どこで釣りを始めるのが良いのか?
完全初心者で、身近に詳しい人も居ないならば、「釣り堀/釣り公園」か「ガイド付きの沖釣り」が無難だろう。お金はかかるが、しっかりと管理されている場所なら道具も貸してもらえる。
川は先述の通り下調べが必要な上、急な増水なども起こり得るので危険も多くお勧めできない。
「管理された釣り場は自然が感じられなさそう」とか「船は酔うから嫌」というなら、今回筆者が体験した「堤防/岸壁釣り」が良いと思う。
ただし、堤防/岸壁は基本的に漁師さんの仕事場なので、邪魔になるような行為や猟具を荒らすようなことは絶対にしないように。釣り人気ゆえにマナーが悪い人も増えているのか、漁師さんたちがピリピリしている場所もあるそうだ。
天気が良い休日に行けば、多くの釣り人で賑わってる場所があるのでそういう場所を選ぶと良い。人が集まる場所に居る人は話好きなことが多いので、聞けば色々と教えてもらえる。
釣りの種類を知ろう:釣り方について
続いて、「釣り方」での釣りの種類について紹介しようと思うが、結論から言うとこれは無数にある。先人の釣り人たちによって日々研究され、どんどん種類が増え続けているのでとても紹介しきれない。
ただ、本当に大きくざっくり分けるとたったの2種類で、「餌を使う」か「擬似餌(ルアー)を使う」かだ。
その中からほんの一部、代表的なものだけを軽く紹介する。
エサ釣り
  • ちょい投げ釣り:糸の先の仕掛けをちょいと投げる初心者向けの釣り方。「ちょい」を取って「投げ釣り」になると遠投になるので、初心者向けじゃなくなる。
  • サビキ釣り:複数の針が付いた糸と、エサが入ったカゴが付いた仕掛けを堤防から落とす釣り方。
  • 穴釣り:テトラポットなどの隙間に仕掛けを落とす釣り方。
  • ウキ釣り:「ちょい投げ釣り」の仕掛けにウキを足した感じ。
  • ぶっこみ釣り:仕掛けを投げ込んだら、あとは何もせずに待つだけの釣り方。
初心者向けなのはだいたいこの辺だろうか。
釣りがテーマではないドラマや漫画のイメージだと「ウキ釣り」+「ぶっこみ釣り」という印象だが、見た感じ実際にやっている人はあまり多くなさそうだ。おそらく絵的に「釣りらしい描写」なのだろう。
ウキを使うとそれ以上沈まず、特定の水深の魚しか狙えなかったり、ぶっこみ釣りだと動きで魚を誘えないので、けっこう制限のある釣り方だったようだ。
ルアーフィッシング
エサ釣りはやり方によって名称が分かれているのに対し、ルアーの方は使用するルアーの種類によって名称が分かれていることが多いようだ。
あと、エサの方は「◯◯釣り」と分かりやすい名前が多いが、ルアーはなぜか横文字の名称が多い。
  • ジギング:「メタルジグ」という金属製のルアーを使う釣り方。
  • プラッギング:「プラグ」というプラスチックや木製のハード(硬い)ルアーを使う釣り方。
  • ワームフィッシング:「ワーム」というプルプルしたソフト(柔らかい)ルアーを使う釣り方。針やオモリは付いていないので、ルアーの他に用意が必要。
  • フライフィッシング:「フライ」という毛ばりを使う釣り方。
上記のもの以外にも様々なルアーがあるが、大きく分けると硬い「ハードルアー」と柔らかい「ソフトルアー」の2種類。
「フライ」は特殊で、他のルアーは一度竿を振るだけで良いのに対し、フライは投げ縄のように何度も竿を振りながら軽い毛ばりを目当ての場所に投げるので、「上級者向け」と紹介されていることが多い。
我が父は長年フライをやり続けて最近他のルアーに手を出した珍しいタイプで、フライ癖が付いた今となっては他のルアーの方が難しいと感じているようだ。
この辺は人によって得意不得意が異なるかもしれないが、普通は他のルアーの方から始めた方が良いと思う。
上の写真は父が所持しているルアーのコレクション。
  • ソフトルアーであるワームのセット。針とオモリが一体化している「ジグヘッド」と一緒に入れてある。
  • 金属製ハードルアーのセット。魚に似せた「メタルジグ」の他、湾曲した金属プレートの「スプーン」というルアーもある。
  • 「ミノー」という魚にそっくりな見た目のハードルアーたち。これもプラグの一種だろうか?
  • 「フライ(毛ばり)」のセット。父はよく手作りしている。
  • 「エギ」というイカ釣りなどに使う特殊なルアー。まだ使ったことは無いとのこと。
色や柄が1つ1つ違って、見ているだけで楽しい。
ちなみにエサ釣りの方に「サビキ釣り」という釣り方を書いたが、最近はルアーを使う「ジグサビキ」なんて釣り方も流行っているのだそうだ。
エサとルアーどちらから始めるべき?
ここは「何をハードルと感じるか」で決めて良いと思う。
「釣れやすさ」で言えばエサが良いだろう。魚の気持ちになれば、ホンモノとニセモノだったらホンモノの方を選ぶのは当然。
ただ、エサによっては気持ち悪かったり臭いがキツかったりするし、釣る前に食われてしまうことも多いので数が必要。
ルアーの方は、糸が切れたり根がかり(水中の岩などに針がかかって取れなくなる)などしなければ、同じものを使い続けることができる。

どちらもたくさん種類があるので、何を使うかは目当ての魚に合わせるのが良いのだが、初心者はそもそも何の魚が居るのかも分からないだろう。
エサならば釣り場の近くで売っているものを買い、ルアーならば100均でもたくさん売られているので、いくつか買って色々試してみると良いだろう。
釣りの道具を知ろう
文字が多くて疲れてきたと思うが、次はコレが無いと始まらない「道具」の話。
こちらも種類が多いが、さらっと紹介していこう。
ロッド(竿)
大きく分けるとリール(糸巻き)を付けて使用する「リール竿」と、リールを付けない「のべ竿」の2種類。
釣りの種類によってどちらが良いか異なるようだが、始めての釣りならリール竿にしておいて良いだろう。

そこからさらに、「振り出し竿」と「継ぎ竿」の2種類に分かれる。
「振り出し竿」はマトリョーシカのように竿の中に竿を収納してあり、引きづりだして伸ばして使うタイプの竿。持ち運びが楽らしい。
「継ぎ竿」は複数パーツに分割された竿を繋いで使うタイプの竿。少し手間はかかるが、手入れがしやすく強いのが利点。
他にも竿の中に糸を通すものや、継ぎ目がない竿などもあるようだが割愛する。

素材もいくつか種類があるが、今はほぼ「カーボン素材」が使われているそうだ。
他は「グラス」「ボロン」「バンブー」といった素材がある。
リール(糸巻き)
最初のうちは一番一般的な「スピニングリール」というものを使えば良い。
とはいえスピニングリールにも色々とあるのだが、竿とセットになって「◯◯釣り用」といった形で売られているので、最初はとりあえずそれに付いているものを使うで良いと思う。
他にも両軸リールとかベイトリールと呼ばれる、パワーが強いが扱いが難しいものや、片軸リールといったものもあるが、色々とこだわるようになってから学ぼう。
ライン(糸)
「素材」と「太さ」でたくさんの種類がある。

素材については最初は「ナイロン」で始めてみるのが良いかと思う。長持ちはしないが、魚に気付かれにくく、絡まりづらく、汎用性が高くて値段も安いとのこと。
フロロカーボン」という素材も良いが、糸グセがつきやすく少し扱いが難しいらしい。ただ、ナイロンよりもアタリ(魚が食いついた感覚)が分かりやすいらしい。
他に「PE(ポリエチレン)」という素材もあるが、魚の引きには強いが障害物で切れやすく、他の素材と繋いで使うのに向いてるそうなので、慣れてから使うのが良いだろう。

太さについては、太い方が当然強く、大きい魚がかかったり岩に擦れても切れづらいのだが、水や風の抵抗も受けやすく操作が難しいそうだ。
最初のうちは近場の小さい魚を相手にすることが多いと思うので、魚に警戒されにくい細めを選ぶのが良いと思う。
針とオモリ
先ほどルアーを紹介した際にチラッと登場した、「ジグヘッド」という針とオモリが一体化しているものが手軽でオススメ。

針の大きさについては、小さければ魚が食いやすいが外れやすく、大きければ魚が食いづらいが外れにくいとのことで一長一短。
川や釣り堀ではカエシ(魚が外れにくいように針の先端が折り返しているもの)のある針での釣りは禁止してる場合があるので注意が必要。

オモリの重さは重い方が飛ばしやすく、沈みやすく、海では潮の流れの影響を受けにくいなど利点が多いが、狙った場所に投げられるようになるまでは周りの物に当たると危険。投げ方をミスると糸もすぐに切れてしまう。
投げるのに慣れるまでは軽めから始めた方が良いだろう。
上の写真は、父の釣具コレクション。
リールが付いているものと付いていないものがあるが、付けていないだけで竿は全てリール竿だ。かつ、全て継ぎ竿である。
右の黒い2本が海釣り用で、左側の持つところがコルクになっているものが川釣り用。
ちょっと専門的な話をすると、右から順に「シーバス用」「メバル用」「大きい川用」「中流域用」「渓流用」として使っていて、ここまでの5本に付いているリールが「スピニングリール」。左側の6本は全て「フライ用」で、付いているリールもフライリールだ。
「持ってる竿全部出して」と頼んだら次々と出てきて面食らったが、もちろん最初からこんなに用意する必要はない。
結局何を用意したら良いの?
あれこれ紹介しておいて言うことではないが、極端に言うと糸さえ切れなければ道具は何だって良い。
父が子供の頃は、のべ竿にテグスを結んで、オモリは石ころ、ウキは葦の葉、針は曲げた縫い針、餌はミミズやバッタ、柳の葉をルアーにして釣っていたのだとか。(流石に縫い針は釣れなかったので、針だけは買っていたそうだが)
糸の太さや、ルアー等の重さについては、竿を見ると目安が書いてある。
この写真の竿だと「竿の長さ:7フィート6インチ、ルアーの重さ:0.5〜8g、糸の種類:PEなら0.1〜0.8号、フロロなら1〜4ポンド」という情報が書かれている。

一番良いのはどこで釣りたいかだけは決めて、あとはお店の人に聞いて選んでもらおう。
釣りに行く直前の準備
さて、記事のタイトルにもある通り、筆者が初体験として選んだ釣りは海での「堤防/岸壁釣り」である。
ということで今回は、「堤防/岸壁釣り」をするための準備についてだけ書く。
場所と日時を決める
初心者に限らずだが、屋外でのレジャーは安全第一!
天気は極力雨が降りそうにない日にしよう。また、海の近くは風をもろに受けるので、風が弱い日を選ぶ。目安としては「風速3(m/s)」以下が理想。
時間は明け方や夕方の方が釣れやすいとは言われているが、危険度も高くなるので初心者は日中にしよう。
あとは海で大事だと言われているものに「潮位」があり、一番潮が満ちている満潮と、一番潮が引いている干潮のそれぞれ2時間後くらいの潮がよく動く時間が釣れやすいとのこと。
海釣りであると便利な物
服装自体は動きやすければ良いが、堤防のような安定した場所でも出来ればライフジャケットを着用しよう。
こんな感じにロープが引いてあったりするので、魚が居るか確認するのに夢中になっているとつまづいてしまうことがある。
落ちてしまったら、大の大人でも自力ではまず上がれないほど高さがある。命を守る行動を。
また、少し風が強くなっただけでかなり冷たく感じるので、暑い日でもウィンドブレーカーを持っていこう。

その他、以下の物があると重宝する。
  • 真水:潮風でベタベタになった道具や手を洗うのに便利。ウェットティッシュでも良いが霧吹きだとなお良い。
  • 水汲みバケツ:ロープが付いていて、堤防から下げて海水を汲めるタイプのバケツ。釣った魚を生かしておく他、餌などで汚れた釣り場を掃除するのにも使える。
  • ペンチとハサミ:ペンチは魚から釣り針を外す時に、ハサミは糸を切る時に使う。
  • クーラーボックスと保冷剤:釣った魚を持ち帰るならば必要。飲み物を冷やしておくのにも便利
  • タモ(網):使用してる竿や糸では耐えられないほど大物が釣れた時に使う。
  • 偏光グラス:水の中がよく見えるようになる特殊なサングラス。魚が居るか確認するために使う。
  • 魚つかみ:鋭いトゲや毒を持つ魚も居るので、魚をつかむ時に使う。魚は人の体温で弱ってしまうので、魚にとっても優しい。
あと、実はこれが一番重要だと思うのが、移動手段の車。
よほどの知識と経験がなければ、その日その場所に魚が居るかは現地に行ってみなければ分からない。海釣りでも川釣りでも、釣れるポイントを探すために広範囲を移動する場合もある。

あとは先に書いた竿などの釣具を持ったら、いよいよ釣りに出発だ!
釣りを始めよう!
5月某日、場所は大船渡市のとある漁港。ここから私の釣りが始まる。
と、まずは釣具のセッティングから始めるわけだが、私はここで早速やらかすのである。
最初にリールから伸ばした糸を、竿に一定の間隔で並んで付いている「ガイド」と呼ばれる輪っかに通していくのだが...
その前に2つ確認することがある。
上の写真の、糸が巻いてある本体の奥に銀色の細い金具があるが、これは「ベール」と呼ばれる部品。この部品は本体に接している部分を軸に動かすことが出来、状況に応じて寝せた状態と起こした状態を使い分ける。写真は起こしてある状態。
糸を竿に通す際に確認すべきことの1つ目は、このベールが「起こした状態」であること。
そして2つ目は、「糸がベールの間を潜って向こう側に行っていないか」ということ。写真は糸がベールの手前に来ているので大丈夫な状態。
私はこの2つ目をミスってしまい、せっかく竿に糸を通したのにリールを巻いても糸が巻けない状態になってしまった。
こんなほんのちょっとの間違いで、何も出来なくなってしまうとは......

次は糸の先に仕掛けを付ける。私は「ソフトルアー」から始めることにした。
結び方は上の図の通り。「クリンチノット」と呼ばれる基本中の基本の結び方らしい。
他にも釣りで使う結び方は多数あるので、何を結ぶかで都度調べると良い。
ちなみにルアーはこの状態。
ワームの太い方から針を刺し、ちょうど針が曲がってるあたりからワームを突き破って針先を外に出す。
この時、オモリの部分とワームの間に隙間があったり、ワームが真っ直ぐになっていないなど、ちょっとの違いで全く釣れなくなってしまうそうだ。なんと繊細。
準備完了!
今回使用した釣具は
  • 竿=長さ7フィート6インチのカーボン製
  • 糸=フロロカーボンの3ポンド
  • ルアーとジグヘッドの重さ=約2g
竿を振って仕掛けを投げることを「キャスト」と言うが、初めてなので最初は投げずに、まずは手で仕掛けをつまんでヒョイと放り投げるところから始めた。
ここで先ほど書いた、リールのベールを「寝せた状態」と「起こした状態」を使い分ける。
上の写真は投げる時のスタイル。
竿に接しているリールの柄を中指と薬指で挟む形で竿を握り、人差し指に軽く糸を引っ掛けたら、ベールを起こす。
ベールを起こしていると仕掛けの重みで糸が伸びていってしまうので、人差し指でそれを防いでいる状態だ。
仕掛けを投げたら人差し指を糸から外し、仕掛けが沈んでいくのを10秒ほど待つ。
仕掛けが沈んだら、ベールを倒して寝せる。上の写真がその状態。この状態でリールのハンドルを回すと糸を巻き上げることができる。
あとは「ちょっと巻いて、ちょっと休む」を仕掛けが水面に上がって来るまで繰り返す。
仕掛けが手元まで来たら、またベールを起こしてヒョイと投げて...を、10分ほど続けた時...

グッ!と何かが糸を引っ張る手応え!!!

「なんか来た!」と言うと、「巻け!巻け!」と応える父。慌てて巻き上げた先に居たのは...
10cmにも満たなそうな、小さなメバルちゃん。
小さいとはいえ、メバルは背ビレに鋭いトゲがあるので慎重に針を外す。
記念すべき初ゲットなので、持って来ていた小型の水槽に入れてみた。つぶらな瞳がめんこい。
さすがに食べれるサイズではないので、写真だけ撮ってリリース。

その後も何度もアタリが続いたが、釣れるのは全て同じサイズのメバルばかり。
そんな私から少し離れた場所で、父が歓声をあげた。
見事なメバル、28cm!!
と言っても、それが凄いのかよく分からない私。メバルで28cmはなかなか釣れない大物なのだとか。おお。
少し慣れて来たので、私もキャストをしてみることに。
ただ、この日は頭の上で竿を振る投げ方ではなく、下から放り投げる形のキャストだけをした。後から理由を聞いたら、上から投げる方法は不慣れのうちは左右にブレやすく、停泊している船や海中のロープに引っかける恐れがあるから、とのこと。

先ほどまでのただ落とすだけの投げ方は、糸から人差し指を外すタイミングは特に気にしなくて良かったが、キャストになるとこのタイミングがとても重要になってくる。
外すのが早いと距離が伸びずすぐそこに落ちてしまうし、遅いと後ろに飛んで行ってしまう。下から投げる方法も、十分に周囲に注意してから投げないと危ない。
根がかりも2回ほど体験してしまった。
すぐに気付いて上手く振れば外せることも多いのだが、初心者だと魚が釣れたのか地球が釣れたのか判断できない。手応えが大きいからつい嬉しくなってリールを巻いてしまうと...ガッツリ食い込んでしまって外せなくなってしまう。
そうなるともう、糸を切るしかない。これはとても心が痛む。しかし経験を積んで感覚を掴むしかない。
突然だが「物欲センサー」というネットスラングがある。主にゲームにおいて確率で入手できるアイテムが、欲しい気持ちが強いほど入手できない状況を指す言葉だ。
釣りの世界においても、どうやらそれが存在するらしい。狙う気持ちが強すぎると、魚が殺気を察知する...のかは定かではないが。
キャストをし始めてからの私は、上手く投げることにだけ集中し、すっかり魚を釣ることへの意識は薄くなっていた。 それが良かったのか......

グググッ!とこれまでに無いアタリと強い引き!!!

足元の死角に潜り込まれそうになりながらも、必死にリールを巻き続けると...
やはりメバルだ!メバルだがでかい!!
引き上げてサイズを測ってみると
なんということでしょう。
私まで28cmを釣ってしまった
これぞビギナーズラック。
その後は1時間ほど、私も父もほとんどアタリが無くなり、そろそろ帰ろうかとなった。
最後に1投げ、半ば投げやりに、車に戻りながら糸を巻いていたところに...
オマケの1匹。元気なサバが釣れて、初めての釣りは終了した。
大きいものは1匹だけだったが、リリースした小さいメバルは10匹くらい釣れたと思う。初体験としてはかなり楽しい部類じゃないだろうか。
もっとも、上級者ならば小さいものは意図的に避けて、大きいものだけを狙えるようになるのだろうが。

魚を釣る上で何よりも大事なのは「魚が居る場所」に「狙って仕掛けを投げる」ことだという。文字にすると当たり前のことに見えるが、「魚が居る場所」が目で見えないなら知識と経験が必要になるし、「狙って仕掛けを投げる」にはキャストの技術が必要になる。
この日はたまたま、すぐ目で見える場所に魚がたくさん居ただけ。一人前の釣り人になるために、これから長い修行が始まる。
美味しくいただきました♪
さて、私が釣ったメバルがどうなったかというと
後日、父が煮付けにして食卓に並んだ。
凶悪な骨が多いので食べるのは大変だが、味は絶品!
やはり自ら釣り上げた魚だと思うと、感慨もひとしおである。


次は川釣りにチャレンジしてみたくなった。
この記事を読んで、釣りをしてみたくなった人がもし居たら私も嬉しい。
一緒に釣り人を目指そう!
イグチ アイコの画像
岩手で生まれ、岩手で育ち、岩手の野山でキノコなどを探して徘徊している妖怪。主に山の話をします。本当はインドア派。
最近釣りも始めて休みがいくらあっても足りない。夢は定年退職。
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