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釣りを始めてみよう|川釣り編
2024.08.06
〜前回までのあらすじ〜
生まれて初めての釣りをするために、海へと赴いたテレいわ屋ライターのイグチ。ビギナーズラックにより見事28cmものメバルを釣り上げたのであった。
これに味をしめ、今回は無謀にも川釣りに挑戦することとなったが、果たしてその結果は...!?
ライター:イグチ アイコ
はじめに
前回の記事「釣りを始めてみよう|堤防/岸壁釣り編」の中で、川での釣りは事前に調べることが多く、海よりもハードルが高いと書いたが、今回はその辺りについて少し詳しく書いていこう。

釣りの基礎知識についても前回紹介しているので、釣りのことは何も分からないという人は、ぜひ前回の記事から読んでみてもらいたい。
遊漁券について
なぜ遊漁券が必要?
前回の記事にも書いた通り、川で釣りをする場合ほとんどの川では「遊漁券」と呼ばれる許可証のようなものが必要である。 その理由は、川は海と違って魚の数が少ないからだ。
広大な海に比べて狭く小さい環境であることは言うまでもないが、砂防ダムの建造などにより繁殖できる環境も少なくなってしまい、無秩序に釣りをしてしまうと魚がいなくなってしまうのである。
そのため、漁協が養殖や放流をすることで川魚の数を維持しているのだが、これには当然コストがかかる。ゆえに、その活動資金として釣り人はお金を払う必要があるのだ。
遊漁券は対象となる範囲・期間・魚種が決められている
遊漁券を買ったからといって、それ1つでいつでもどこでも自由に釣りができるわけではない。
雫石川を例にしてみると、雫石川は上流と下流で管理している漁協が異なる。つまり、自分が釣りたい場所が上流と下流のどちらなのかを自分で調べて、どちらの遊漁券を買うのか選ばないといけない。
そこからさらに、雫石川上流であれば「サクラマスは4/1〜6/30まで、ヤマメは4/1〜9/30まで」というように魚種によって期間が決められており、遊漁券の種類は「アユのみ・全魚種・雑魚」の3種類あるようだ。
魚を釣って良い期間の他に遊漁券自体にも期限があり、「日券」や「年券」など有効期限の長さによって値段が変わる。

詳しくは岩手県のホームページに川ごとの規則が書かれたPDFが掲載されているので、候補の川の情報を探してみよう。
今例にあげた情報以外にも、使用する道具や釣り方などにもかなり細かい決まりがあるので、正直ページを開いただけで頭が痛くなる感じだが。
ちなみにこちらは、我が父が所持している「共通遊漁券」というもの。複数の川でいろんな魚を釣りたい人なら、これを持っていると比較的自由に釣りができる。
ただし、共通遊漁券が使えない川もあるのでやはり調べる必要はあるし、お値段もそれなりである。
遊漁券はどこで買える?
無難なのは漁協や釣具店だ。
他、個人商店やコンビニで扱っていることもある。たまに「釣り券あります」といった張り紙のある店を見かけるので、そういうお店を見つけたらチェックしておこう。
遊漁券がいらない川もある
数は多くないが、実は遊漁券を持っていなくても釣りをしても良い川もある。その違いは「管理する漁協があるかないか」だ。
「漁業権設定河川」が遊漁券が必要な川で、「漁業権非設定河川」は遊漁券がいらない川。

ただ、遊漁券がいらない川の多くは漁協が管理できないほどの険しい山奥だったり、そもそも釣れる魚が少ないというケースが多いようだ。わずかな金をケチって命を落としたり、全く釣れずに時間を無駄にするよりは遊漁券を買う方が無難だろう。

しかし意外にも北上川(上流と河口は除く)は「漁業権非設定河川」だったりする。まずは試しにキャスト練習なんて場合は、盛岡あたりの人なら北上川から始めるのが良さそうだ。
川釣りで用意するもの
川釣りするための準備についてだが、実は海釣りとそんなに変わらない。
釣竿などの釣具以外は、魚を見るための偏光グラス、糸を切るためのハサミ、釣った魚を持ち帰るならクーラーボックス。程度で十分。

とはいえ一応、川釣りにスポットをあてた記事であるので、海釣りでは使わない川釣り特有の道具を少し紹介する。
こちらは川釣り用のネット。釣った魚をすくう時やハリを外す時に使う。

父曰く、持ち帰る魚であれば「岸にあげてしまえば良いのでネットが無くても釣りは出来る」とのことだが、おそらくそれは上級者の話。
ネットを使わず魚の自由度が高い状態でハリを外そうとすると、魚が暴れてハリが自分に刺さることがある。また、うまく岸にあげられず無理に引き上げようとすると、魚にハリが刺さったまま糸が切れてしまう場合もある。

自分にも魚にも優しくするために、用意しておいた方が良いだろう。特に右側の網目が細かいものは「リリースネット」と言い、より魚に優しい網となっている。
リリース時に魚を掴む際には、手を川の水で冷やしておいて魚に熱によるダメージを与えないことも忘れずに。
こちらは「ウェーダー」という、川の深いところまで入るために着用するもの。ただこれを使うのは川釣りといっても主に渓流釣りの場合だ。
大きな川や湖で釣る場合、キャストである程度自由にポイントを狙えるのでわざわざ深いところに入る必要はない。浅瀬ならば長靴やサンダルで十分だ。

渓流釣りの場合、頭上を木々が遮るので短い距離しか投げられず、狙いたい場所に投げるためには深いところまで行く必要があり、これを着用するとのこと。
つまり初心者にはまだ不要ということだが、実は私は釣りを始める前からこれを持っている。理由は「川の向こうに渡ってキノコを探すため」という極めて不純な動機だ。
その他の道具については、前回の記事を見て欲しい。
北上川で試し釣り
さぁいよいよ釣りを始めよう。
まずはキャスト練習ということで、先ほども書いた通り遊漁券がいらない北上川で試し釣りから始める。
...と、父に連れて行かれた場所は...
ものっすごい薮。放置林の散策でもここまでの藪漕ぎはなかなか無い。
浅瀬にしか行かないものの一応ウェーダーを履いて行ったのだが、こんな形で役に立つとは思わなかった。
(ウェーダーに穴が開くことがあるので、藪漕ぎのために使うのはオススメしない)
薮を抜けると北上川!
キノコ山菜目当てだとこんなに大きい川に行くことは無いので、これはこれで新鮮で気持ちがいい。
今回使用したのは、「ダブルハンド」という割と遠くまで投げやすいロッド。渓流釣り用の「シングルハンド」よりも、持つ部分も竿全体も長いロッドだ。
我が家にあるのはシングルハンドが1m50cmほどで、ダブルハンドが2m50cmほどなので、約1mの差がある。
ルアーは「スプーン」という金属製のものを使用。だがルアーよりも、糸とルアーの間の小さな金具に注目してもらいたい。
これは前回の記事には登場しなかった「スナップ」という物。わざわざ糸を結び直さなくてもルアーを取り替えられる便利な道具だ。

指先が超絶不器用で糸を結ぶのにめちゃくちゃ時間がかかる私にとっては、常にこれを使いたいところなのだが...
糸に傷がつきやすかったり、水の抵抗でルアーを思い通りに動かせなくなる場合もあるなど、デメリットもあるようだ。
いろんなルアーを付け替えて魚の反応を見たい時には最適。
投げてみた感想は......

めっちゃ気持ちいい!!!!!

これまで小さなジグヘッドとワームを使っていたので、どんなに遠くに投げようとしてもフワッとしか飛んでいかなかったのだが、重いルアーだとビュンッと飛んでいく!

コントロールがヘタクソなので、あまりに飛び過ぎて一度向こう岸に引っかかりそうになったくらいだ。そして重いから風の影響もあまり受けないはずなのに、方向もなかなか狙った通りには飛んで行かない。
もし人が来るような場所でやっていたら、今の私ならば殺人鬼になってしまうだろう。これから釣りを始めたいと思ってこれを読んでる人が居るならば、くれぐれも周囲の状況に注意してやって欲しい。

とはいえ、やっぱり遠くに飛ばすのは楽しい〜〜〜!!と、夢中になってキャストを続けていると...

「おい、よく見てみろ。エビになってるぞ!」

と、少し離れた場所で釣りをしていた父から何かを注意された。
......エビ......??
自分のルアーをよく見てみると、こんな状態になっていた。
ルアーのハリが糸に引っかかってしまうことを「エビになる」と言うらしい。この状態だと水の抵抗で巻くのが凄い重くなるとのこと。魚もまず釣れないだろう。

いやそれより恐ろしいのは、自分も釣りをしながら数メートル離れた私のこの状態に気が付く父の観察眼だ。これまで私が大きなトラブルもなく釣りを楽しめているのは、この優秀な監督によるところが大きい。
この日のトラブルはこれくらいだったが、ねじれた糸をそのままリールに巻き込んでリールの中で絡まったり、結びが甘くて投げたルアーがそのまま旅立ったり、釣りは細やかな注意が常に必要なレジャーである。
ところで肝心の釣果はというと、この日は何も釣ることはできなかった。
だが一度アタリはあった! ルアーを手元に巻き戻してる時にグン!と来て、浅瀬でバシャバシャするとこまで行ったのだが、そこでバラしてしまった。
アタリの感じを父に伝えると「サクラマスだったかもしれない...」とのこと。もし釣りあげていたらどえらいことになっていたかも。
遊漁券を買って田瀬湖で釣り
色々と調べて書いてはいるが、やはり何事も実際に体験してみたい。遊漁券も買ってみたい。
ということで、遊漁券が必要かつ初心者が投げやすい釣り場として「田瀬湖」に行ってみた。
これが田瀬湖(猿ヶ石川下流)の遊漁券(雑魚の日券)だ!
免許証のような共通遊漁券と比べて、だいぶショボ......濡らさないように丁寧に扱わなければ!!
平成の上から無理やり令和にしているところも趣き深い。

田瀬湖には釣り公園もあるので、そこの受付で遊漁券も買える。
私が行った時はたまたま管理人さんが不在で、お留守番をしていたおじいさん達を慌てさせてしまった...申し訳ない。
「待ちますよ〜」と言ったのだが、待たせては悪いとあちこち探してくれて、とてもありがたくほっこりした。
天気も良く、眺めが最高の田瀬湖で釣り開始!
この日も北上川の時と同じダブルハンドのロッドを使用。

そして...今回は...

魚が......

釣れました!!!!!!!!!
なんだこいつは......すごい顔ですごい色をしている.........
父曰く「ハス」という魚だそうだ。初めて見る魚だが、こいつが私の記念すべき川釣り第一号!
父が釣ったものだが、もっと変な顔の魚も釣れた。
こちらは「ニゴイ」というらしい。確かにコイって感じの鱗をしている。
以上が私の川釣り体験の記録である。
もっとたくさん川釣りの練習をしたいのだが、6月の水不足が嘘のように7月は雨続きで、私が気軽に行けそうな川はずっと増水していてなかなかチャンスが無い。
憧れの渓流釣りができるようになるまで経験を積めるのは、まだまだ先のようだ。
イグチ アイコの画像
岩手で生まれ、岩手で育ち、岩手の野山でキノコなどを探して徘徊している妖怪。主に山の話をします。本当はインドア派。
最近釣りも始めて休みがいくらあっても足りない。夢は定年退職。
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