今昔さんぽ 〜北上山地の暮らしの歴史を学ぶ〜
2025.01.29
町の歴史やなつかしい風景を辿る今昔さんぽ。
宮古市川井の「宮古市北上山地民俗資料館」で、かつて農業や林業に使われていた道具や、山間部での暮らしについて学んで来ましたよ。
宮古市川井の「宮古市北上山地民俗資料館」で、かつて農業や林業に使われていた道具や、山間部での暮らしについて学んで来ましたよ。
※放送時点の情報です。
北上山地の暮らしの道具を展示する資料館
今回訪れたのは、岩手県宮古市の内陸部にある川井地域。
1994年11月、旧川井村に開館した「宮古市北上山地民俗資料館」では、北上山地の山の恵みを利用して暮らした人々が、生活や仕事で使ったさまざまな道具が展示されています。
手作りした道具を使い、手作業で仕事を行なっていた時代について、学芸員の髙橋さんが解説してくださいました。
手作りした道具を使い、手作業で仕事を行なっていた時代について、学芸員の髙橋さんが解説してくださいました。
山間部ならではの農具
まず案内していただいたのは、畑作にまつわる展示コーナー。
昔の畑作で使われていた道具の数々が、ずらっと流れに沿って展示されています。
昔の畑作で使われていた道具の数々が、ずらっと流れに沿って展示されています。
今昔クイズ第1問!
こちらの「踏み鋤」と呼ばれている道具は、どんな場所で使うのに適した道具でしょうか?
正解は「斜面」。
北上山地の畑は傾斜がある場所が多く、足で踏んで土を起こすこの農具が春の畑起こしで活躍していたそうです。
北上山地の畑は傾斜がある場所が多く、足で踏んで土を起こすこの農具が春の畑起こしで活躍していたそうです。
鍬身の部分には木の幹が、柄の部分には木の枝が使用されていることが、現地で直に観察すると分かりやすいですよ。
憧れの的だった林業の花形
続いて山仕事に関する展示コーナーへ。
川井地域は面積の94%が山林で、昔から林業が盛んに行われていました。
川井地域は面積の94%が山林で、昔から林業が盛んに行われていました。
今昔クイズ第2問!
山で伐採した木は冬場、ある方法で運搬されていました。
その方法とは何でしょうか?
その方法とは何でしょうか?
正解は「ソリ」!。
「ばつ橇」と呼ばれる、スキーのような板がついたソリで巨大な丸太を運んでいたんです。
「ばつ橇」と呼ばれる、スキーのような板がついたソリで巨大な丸太を運んでいたんです。
危険と隣り合わせで技術や運動神経が必要なばつ橇による運搬作業は、若い人たちが憧れる花形的な仕事だったそうです。
特殊な素材で作られた雨具
次にやって来たのは、生活用具の展示コーナー。
昔の雨避けの道具といえば蓑。
蓑と聞くと秋田のナマハゲのような藁で作られたものを想像する人が多いと思いますが、こちらの蓑は少し様子が違うようです。
蓑と聞くと秋田のナマハゲのような藁で作られたものを想像する人が多いと思いますが、こちらの蓑は少し様子が違うようです。
今昔クイズ第3問!
この蓑は何の素材で作られているでしょう?
正解は「木の皮」!
山間地域である川井では水田が少なく、稲わらがなかなか手に入りづらかったため、樹皮製の蓑が使われていました。
テープ状に皮が剥がれる木として、「マダ」と呼ばれるシナノキや、「アオカワ」と呼ばれるウリハダカエデが主に素材として使われています。
木が水をいっぱい吸い上げて成長する梅雨の時期が、一番皮を剥ぎやすかったそうですよ。
また、山仕事に行く際はノコギリやマサカリといった刃物を背負ったので、背中を傷めないために身に付けるという用途もあったようです。
山間地域である川井では水田が少なく、稲わらがなかなか手に入りづらかったため、樹皮製の蓑が使われていました。
テープ状に皮が剥がれる木として、「マダ」と呼ばれるシナノキや、「アオカワ」と呼ばれるウリハダカエデが主に素材として使われています。
木が水をいっぱい吸い上げて成長する梅雨の時期が、一番皮を剥ぎやすかったそうですよ。
また、山仕事に行く際はノコギリやマサカリといった刃物を背負ったので、背中を傷めないために身に付けるという用途もあったようです。
謎の道具「くめんだけ」
ここで髙橋さんが不思議な形の道具を持ってきてくださいました。
今昔クイズ第4問!
これは何でしょう?
正解は「くめんだけ」と呼ばれる遊び道具。
竹の管を隣の紐に移す方法を考える、知恵の輪のような遊びらしいのですが……
竹の管を隣の紐に移す方法を考える、知恵の輪のような遊びらしいのですが……
実は髙橋さんにも解き方は分からないとのこと。
盛岡と宮古を結ぶ宮古街道
館内には宮古街道にまつわる展示も。
お城のある盛岡と、港のある宮古を結ぶ重要な街道として整備されていたのが宮古街道です。
お城のある盛岡と、港のある宮古を結ぶ重要な街道として整備されていたのが宮古街道です。
山越えや谷沿いの難所も多く、当時は街道沿いにある宿に泊まりながら徒歩で2泊3日かけて盛岡と宮古を行き来していたそうですよ。
開館30周年記念の企画展
現在こちらの資料館では開館から30周年を記念し、地域の方々の協力を得て資料を収集してきた「これまでの活動の歩み」を紹介する企画展を行っています。
第27回 企画展 開館30周年記念
北上山地民族資料館の30年 〜調査活動のあゆみ〜
2025年3月30日まで
北上山地民族資料館の30年 〜調査活動のあゆみ〜
2025年3月30日まで
「これからもこういう展示を通して、昔の人たちの生きる知恵とか工夫を、地元の人たちと協力しながら伝えていければな、と考えております。」と髙橋さんは語ってくださいました。
今の暮らしにつながる昔の知恵を学び、その暮らしや歴史を肌で感じてみませんか?
今の暮らしにつながる昔の知恵を学び、その暮らしや歴史を肌で感じてみませんか?
お問い合わせ
宮古市北上山地民俗資料館
【住所】宮古市川井2-187-1
【開館】9:00~17:00
【TEL】0193-76-2167
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌日)
【入館料】一般 200円 学生 150円 高校生以下無料
【住所】宮古市川井2-187-1
【開館】9:00~17:00
【TEL】0193-76-2167
【休館日】月曜日(祝日の場合は翌日)
【入館料】一般 200円 学生 150円 高校生以下無料
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