十五夜を全力で楽しんでみた
2023.10.04
十五夜。満月のもと、穀物の粉を丸めて茹でたものを食し、草花を飾り立てて祈る儀式。
これはその実践の記録である。
これはその実践の記録である。
ライター:イグチ アイコ
そもそも十五夜とは?
皆さんは十五夜という行事を行ったことがあるだろうか?
私はない。
なんとなく団子を食べる日だという認識はあるが、その団子すら食べたことはなく、「今日って十五夜なんだ〜へぇ〜」と、チラッと月を見たことがある程度だ。
日本人の端くれとして、一度で良いからちゃんとやってみたい…
ということで、まずは十五夜を知ろうと思う。
テレいわ屋に何か情報があるだろうか。
私はない。
なんとなく団子を食べる日だという認識はあるが、その団子すら食べたことはなく、「今日って十五夜なんだ〜へぇ〜」と、チラッと月を見たことがある程度だ。
日本人の端くれとして、一度で良いからちゃんとやってみたい…
ということで、まずは十五夜を知ろうと思う。
テレいわ屋に何か情報があるだろうか。
なかった。
まだ出来て日が浅い、岩手県の情報サイトに多くを求めすぎた。
ここは文明の利器、インターネットの力に頼ろう。
まだ出来て日が浅い、岩手県の情報サイトに多くを求めすぎた。
ここは文明の利器、インターネットの力に頼ろう。
詳しいことは検索すれば山ほど出てくるので、要点だけまとめると…
- 中国の中秋の名月を鑑賞する風習が、平安時代に日本に入ってきた
- 旧暦では8月15日が必ず満月だったが、新暦では年によって違う(2023年は9月29日)
- 秋の収穫を祝い、里芋などの収穫物や、満月もしくは里芋に見立てた団子を供える
- ススキをはじめとする秋の七草を飾り、月と共に鑑賞する
細かい差異はあれど、どこの情報もざっとこんな感じだ。
「日本人の端くれとして〜」とか言ったが、そもそも日本発祥ではなかった…
とりあえず現代では、 月の美しさを愛でつつ、収穫に感謝しながら美味しいものを食べて秋を楽しもう! といったところだろう。
「日本人の端くれとして〜」とか言ったが、そもそも日本発祥ではなかった…
とりあえず現代では、 月の美しさを愛でつつ、収穫に感謝しながら美味しいものを食べて秋を楽しもう! といったところだろう。
月見団子を作る
筆者は普段、料理をほとんどしない人間だが…
団子粉と水を混ぜて練って、丸めて、茹でて、冷ませば完成らしい。
これなら出来そうだ。
団子粉と水を混ぜて練って、丸めて、茹でて、冷ませば完成らしい。
これなら出来そうだ。
材料はたったこれだけ。実にシンプル!
さっそく作ってみよう。
さっそく作ってみよう。
団子粉と水を混ぜて練って…
丸めて…
茹でて…
出来た!!!
我ながら惚れ惚れする出来栄え。だが正直言って、満月や里芋というよりは......
ウミガメの卵。
我ながら惚れ惚れする出来栄え。だが正直言って、満月や里芋というよりは......
ウミガメの卵。
秋の七草を集める
秋の七草は全て揃える必要はなく、どれか1つでも飾れば良いものらしいが、
1つだけ用意するのではつまらない。せっかくなので全て集めてみたいと思う。
1つだけ用意するのではつまらない。せっかくなので全て集めてみたいと思う。
岩手の野山で!!!!
(実際に野山を歩く際には顔を出しています。このような姿で徘徊するのは不審者として通報されかねませんので絶対にマネしないでください。)
※この記事は山中での採集を推奨するための記事ではありません。野山で採集する際には私有地などの立ち入りや採集が禁止されている場所では行わず、安全のために単独での行動は控えてください。
(実際に野山を歩く際には顔を出しています。このような姿で徘徊するのは不審者として通報されかねませんので絶対にマネしないでください。)
※この記事は山中での採集を推奨するための記事ではありません。野山で採集する際には私有地などの立ち入りや採集が禁止されている場所では行わず、安全のために単独での行動は控えてください。
採集ターゲットである秋の七草とは、以下のものだ。
- 萩(はぎ)
- 桔梗(ききょう)
- 葛(くず)
- 撫子(なでしこ)
- 尾花(おばな)※ススキ
- 女郎花(おみなえし)
- 藤袴(ふじばかま)
まずは「萩」から行く。
もうこれは家から出ればすぐに手に入る。なんなら家の中からでも見える。
もうこれは家から出ればすぐに手に入る。なんなら家の中からでも見える。
少し前まではかろうじて花が咲いていたのだが、十五夜当日にはすっかり枯れてしまっていた。
残念ではあるが、順調な滑り出しと言えるだろう。
次は「ススキ」。
残念ではあるが、順調な滑り出しと言えるだろう。
次は「ススキ」。
これもなんと庭に生えていた。全く気付かなかった。
庭では上手く撮れなかったため、写真は近所の野原で撮影したもの。
続いて「葛」。
葛はおそらく、今地球上で最も勢力を誇る生物だ。
庭では上手く撮れなかったため、写真は近所の野原で撮影したもの。
続いて「葛」。
葛はおそらく、今地球上で最も勢力を誇る生物だ。
この世の全てを覆い尽くさんばかりの勢いで蔓延っている。恐怖すら感じる。
正直、風流に愛でる気は起きない。花の部分だけならそれなりに見えたかもしれないが...
正直、風流に愛でる気は起きない。花の部分だけならそれなりに見えたかもしれないが...
こちらも少し前までは花が咲いていたが、十五夜の頃には豆だけになってしまった。
またこれを集めるのがえらく大変だった。そこら中の草木を全て巻き込みながら伸びまくっているので、どこからどこまでが葛なのかよく分からない。
適当に集めて庭で洗っている間も、ヤブ蚊に襲われて足だの尻だのしこたま喰われた。
さて問題はここからだ。
「藤袴」...見たことも聞いたこともない。
ところが試しに家族に情報を求めると、すぐ近くに生えているとのこと。探してみると...
またこれを集めるのがえらく大変だった。そこら中の草木を全て巻き込みながら伸びまくっているので、どこからどこまでが葛なのかよく分からない。
適当に集めて庭で洗っている間も、ヤブ蚊に襲われて足だの尻だのしこたま喰われた。
さて問題はここからだ。
「藤袴」...見たことも聞いたこともない。
ところが試しに家族に情報を求めると、すぐ近くに生えているとのこと。探してみると...
難なく見つけることができた。と言うより、そこら中が藤袴だらけで言ってしまえば「雑草」であった。
しかし、名も知らず遠目で見ているだけでは雑草だったが、こうして名前と秋の七草であることを知ってから見ると、見かける度に少し嬉しくなるものだ。
続いて「女郎花」。これはなかなか大変だった。
園芸種として、誰かの庭に咲いているものは度々見かけたのだが、自生しているものは近場では見つけられなかった。
しかし、名も知らず遠目で見ているだけでは雑草だったが、こうして名前と秋の七草であることを知ってから見ると、見かける度に少し嬉しくなるものだ。
続いて「女郎花」。これはなかなか大変だった。
園芸種として、誰かの庭に咲いているものは度々見かけたのだが、自生しているものは近場では見つけられなかった。
なんとか野生化したようなものを見つけて写真を撮ることは出来たが、知らない人の地域だったため採集は断念。
最後に「桔梗」と「撫子」だが...
どちらもよく知った花ではあるが、いくら野山や人里を歩けども影も形も見当たらない。
それもそのはず、どちらも花の最盛期は初夏〜夏でそもそも時期が違い、しかもどちらも自生してるものは絶滅危惧種らしい。
ということで、残念ながら3種の入手は叶わなかった。
……待てよ?
花を愛でるなら、実物じゃなくても出来るんじゃないか??
最後に「桔梗」と「撫子」だが...
どちらもよく知った花ではあるが、いくら野山や人里を歩けども影も形も見当たらない。
それもそのはず、どちらも花の最盛期は初夏〜夏でそもそも時期が違い、しかもどちらも自生してるものは絶滅危惧種らしい。
ということで、残念ながら3種の入手は叶わなかった。
……待てよ?
花を愛でるなら、実物じゃなくても出来るんじゃないか??
完璧だ!
これで準備は整った。あとは月が出るのを待とう。
これで準備は整った。あとは月が出るのを待とう。
月を見る
夜になり.........
天候に恵まれ、2023年の十五夜は見事な満月を拝むことができた!
実は十五夜に満月になることは珍しいことらしく、次に十五夜と満月が重なるのは7年後らしい。
それでは
月見を開始しよう。
実は十五夜に満月になることは珍しいことらしく、次に十五夜と満月が重なるのは7年後らしい。
それでは
月見を開始しよう。
何やら怪しくなってしまった。
なにせ初めてのお月見。まるで勝手がわからない。
そんなアホな準備に手間取っている間に...
なにせ初めてのお月見。まるで勝手がわからない。
そんなアホな準備に手間取っている間に...
月が雲に隠れてしまった!
だがこの雲、やけにかっこいい。
正直言うと満月よりもテンションが上がった。
幸い月が見えないほどではないので、雲を通して見える月を眺めながらお団子をいただく。
だがこの雲、やけにかっこいい。
正直言うと満月よりもテンションが上がった。
幸い月が見えないほどではないので、雲を通して見える月を眺めながらお団子をいただく。
うーーーーーーーん......
食感はモチモチとしていて大変良いのだが..........
粉の味。
ー 翌朝 ー
食感はモチモチとしていて大変良いのだが..........
粉の味。
ー 翌朝 ー
お汁粉にして、美味しくいただきました。
ー 完 ー
ー 完 ー
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