「高畑勲展」の魅力に迫る！｜岩手県立美術館

2023.10.25

芸術の秋ですね。盛岡市の岩手県立美術館で12/17(日)まで開催中の「高畑勲展」に渡辺裕太さんが行ってきました。
「アルプスの少女ハイジ」や「平成狸合戦ぽんぽこ」など、誰もが知る有名な作品の世界に浸ることができますよ。

※放送時点の情報です。

高畑勲展へアニメーションの原画を展示ハイジの世界に入ったような気分に！日本の原風景を感じられる作品ジブリの世界お問い合わせ

高畑勲展へ

岩手県立美術館では現在「高畑勲展」を開催中です。

高畑勲さんは日本のアニメーションを牽引し続けたアニメーション映画監督です。

ジブリ作品をはじめ、多くのアニメーション作品を手掛け、日本のアニメーションに大きな影響を与えた方です。

美術館の入り口にはフォトスポットが用意されています。
キャラクターと一緒に写真を撮ることができますよ。

では早速、展示を見ていきましょう！

アニメーションの原画を展示

アニメーション作家の高畑勲さんの作品を第1章から第4章までテーマ別に分けて紹介しています。
まずは出発点となる第1章、そして、その奥の方のコーナーではテレビの名作シリーズを作り出した第2章を紹介しています。

こちらの「太陽の王子ホルスの大冒険」のキャラクターが集合したイラスト、中央にいる白い服を着た人は高畑勲さん自身なんです。その隣で腕組みをしてうずくまって、困ったな～と言っている人が若き日の宮崎駿さんです。

ホルスの大冒険は高畑勲監督の初監督作品なのですが、当時無名の新人で原画班の一人だった宮崎駿さんが関わっていたんですよ。

ものすごく繊細で躍動感の感じられる描写ですね。

高畑監督の初期の代表作「パンダコパンダ」は宮崎駿さんが原案や脚本を担当しています。「となりのトトロ」の原型といわれている作品です。

そしてこちらは総監督を高畑さんが務めて、キャラクターデザインを宮崎駿さんが手がけた「アルプスの少女ハイジ」の原画になります。

宮崎駿さんの手がけたレイアウトをこれだけの数見られるというのもこの展覧会ならではです。
描かれているものすべてが生き生きとしているというのが感じられますね。

展示作品を見ていると、ハイジの世界に引き込まれていきます。圧巻です。

ハイジの世界に入ったような気分に！

ハイジの展示に関わるものでもう一つ…目玉がこちらの「ハイジのジオラマ」です。

ハイジの世界が実際に立体で満喫できる世界になっていて、頂上にはおじいさんやハイジ、そしてペーターたちも登場していますよ。

ずっと下って行くと麓の村があって、駅があり実際に鉄道が走っているんです！

なかなか他の会場では見られないそうです。自分がハイジの世界に入り込んだような気分が味わえますよ。

日本の原風景を感じられる作品

第3章からは日本を舞台にした作品を手がけるようになっていきます。

「セロ弾きのゴーシュ」は先ほどまでのハイジのような西洋の雰囲気とはまた違って、日本の原風景を描きだすような作品になっています。

高畑さんは宮沢賢治の作品からも影響を受けて、この岩手の原風景を参考にして描いていたのかもしれないですね。

ジブリの世界

そしてここからはジブリで発表されたアニメーションのコーナーになります。

「平成狸合戦ぽんぽこ」は原作・監督・脚本すべて高畑さんが手がけており、まさに高畑勲ワールド全開の作品です。

高畑さんがこれまで培ってきた経験や出会いをぎゅっと詰め込んだ、その時代の集大成のような作品だったのではないでしょうか。

1枚の絵に物語があるので、近くでじっくり見て楽しむことができるのは、この展示会ならではの楽しみ方ですね。

高畑作品の中に登場する様々なキャラクターが大集合のグッズコーナーもありますよ。
ぜひお気に入りを探してみてくださいね。

そして、観覧チケットをお持ちの方で、グッズ購入者または公式Xでリポストした方にコーヒーのサービスもありますよ♪（土・日・祝日限定）

高畑勲展を見終わったら、コーヒーを飲みながら余韻に浸るのもいいのではないでしょうか。

「高畑勲さんという方は、日本のアニメーション界の明らかに分岐点になるような方だったんだなというふうに感じたし、そこから今の日本のアニメーションの世界にどういう影響を与えていたのかということを体感することができた」と裕太さんも語っていました。