#11 いわて里山散歩|2024年11月
2024.11.29
里山大好きライターの不定期連載「いわて里山散歩」。
今回は11月の里山(と山奥)の様子をお届けする。
※天候や大人の事情で更新が滞る可能性があります。ご了承ください。
※筆者はきのこ/山菜の専門家ではありません。この記事の情報だけできのこ/山菜の同定を行うのは絶対におやめください。
今回は11月の里山(と山奥)の様子をお届けする。
※天候や大人の事情で更新が滞る可能性があります。ご了承ください。
※筆者はきのこ/山菜の専門家ではありません。この記事の情報だけできのこ/山菜の同定を行うのは絶対におやめください。
ライター:イグチ アイコ
あっという間に秋が深まり、初雪も降り、もう冬と言って良い岩手。
ほぼ11月の頭頃に撮影したものばかりだが、今月もキノコを中心に山の様子をお届けしよう。
ほぼ11月の頭頃に撮影したものばかりだが、今月もキノコを中心に山の様子をお届けしよう。
11月の里山の様子
この時期、筆者宅周辺で一番よく出会うキノコは「クリタケ」。
去年はそのクリタケと、間違えやすい毒キノコである「ニガクリタケ」のことを紹介した。
去年はそのクリタケと、間違えやすい毒キノコである「ニガクリタケ」のことを紹介した。
だが個人的には、ニガクリタケよりももっとクリタケに似ていると思っているキノコがある。
その名は「チャナメツムタケ」。
その名は「チャナメツムタケ」。
まずこちらはクリタケ。
そしてこれがチャナメツムタケ。
おわかりいただけただろうか……
もう一度行こう
おわかりいただけただろうか……
もう一度行こう
これがクリタケ。
こっちはチャナメツムタケ。
…おわかり…いただけただろうか………
筆者は今でこそ直に見れば分かるようになったが、最初の頃はどちらもクリタケと思って採っていた。
写真では今でも、前後に撮った別の写真も見ながら記憶を頼りに判断している有様である。
まぁこの2つに関してはどちらも食べられるキノコなので間違えても問題はないのだが、簡単にハッキリと見分ける方法もある。水に浸ければ良い。
チャナメツムタケは別名「地ナメコ」と呼ばれ、水に濡れるとナメコのようによくヌメるキノコなのだ。(ツチナメコとも呼ばれているが、「ツチナメコ」という名前の別のキノコもある)
一方クリタケの方は、水に濡れてもヌルヌルとすることはない。
クリタケはクセがなく、うちでは他のキノコと混ぜてパスタにすることが多い。
チャナメツムタケは少しクセがあるので、味が濃いめの鍋や中華料理に入れると美味しい。
どちらもキノコ好きの間では人気のキノコ。
ちなみにクリタケと間違えやすい毒キノコはニガクリタケなのは冒頭にも書いたが、チャナメツムタケと間違えやすい毒キノコは「カキシメジ」らしい。
私はまだカキシメジに出会ったことがないのでどのくらい似ているのか分からないが、傘の表面の色や形が似ているようだ。
…おわかり…いただけただろうか………
筆者は今でこそ直に見れば分かるようになったが、最初の頃はどちらもクリタケと思って採っていた。
写真では今でも、前後に撮った別の写真も見ながら記憶を頼りに判断している有様である。
まぁこの2つに関してはどちらも食べられるキノコなので間違えても問題はないのだが、簡単にハッキリと見分ける方法もある。水に浸ければ良い。
チャナメツムタケは別名「地ナメコ」と呼ばれ、水に濡れるとナメコのようによくヌメるキノコなのだ。(ツチナメコとも呼ばれているが、「ツチナメコ」という名前の別のキノコもある)
一方クリタケの方は、水に濡れてもヌルヌルとすることはない。
クリタケはクセがなく、うちでは他のキノコと混ぜてパスタにすることが多い。
チャナメツムタケは少しクセがあるので、味が濃いめの鍋や中華料理に入れると美味しい。
どちらもキノコ好きの間では人気のキノコ。
ちなみにクリタケと間違えやすい毒キノコはニガクリタケなのは冒頭にも書いたが、チャナメツムタケと間違えやすい毒キノコは「カキシメジ」らしい。
私はまだカキシメジに出会ったことがないのでどのくらい似ているのか分からないが、傘の表面の色や形が似ているようだ。
続いて、今年も出会えた「ヤマブシタケ」!
しかし発生したタイミングが悪かったのか、今年は小さいうちから干からびてしまって大きくなれなかったようで、数週間後に見に行ってもまだこの状態のままだった。
キレイな状態を見たい人は去年の記事を見て欲しい。
しかし発生したタイミングが悪かったのか、今年は小さいうちから干からびてしまって大きくなれなかったようで、数週間後に見に行ってもまだこの状態のままだった。
キレイな状態を見たい人は去年の記事を見て欲しい。
こちらはしょっちゅう行く森で初めて見つけた謎のキノコ。
なかなか特徴的なのだが、図鑑でもネットでも「これだ!」と思えるものが見つけられない。
かなり老いた菌なので、特徴が変わってしまっているのかもしれない。幼菌から老菌までの成長過程を網羅した図鑑があったらぜひ買いたい。
なかなか特徴的なのだが、図鑑でもネットでも「これだ!」と思えるものが見つけられない。
かなり老いた菌なので、特徴が変わってしまっているのかもしれない。幼菌から老菌までの成長過程を網羅した図鑑があったらぜひ買いたい。
11月の山奥の様子
晩秋の目玉キノコといえばナメコ!
ということで、今年も「里山散歩」と言いながら人里離れた山奥へ遠征。
人のテリトリーから離れれば、こんなものも見つかる。
ということで、今年も「里山散歩」と言いながら人里離れた山奥へ遠征。
人のテリトリーから離れれば、こんなものも見つかる。
これは「熊棚」と呼ばれる、熊が樹上で木の実などを食べた痕跡。
まぁ民家の庭木にあるのを見たこともあるし、これが無くても山全体が熊の行動圏内なので見つけたからといって騒ぐものでもないのだが、見ればやはり気が引き締まる。
しかしそんな山奥だからこそ見られる絶景もある。
まぁ民家の庭木にあるのを見たこともあるし、これが無くても山全体が熊の行動圏内なので見つけたからといって騒ぐものでもないのだが、見ればやはり気が引き締まる。
しかしそんな山奥だからこそ見られる絶景もある。
見て欲しいこの渓流の美しさを…!!
釣り用のウェーダー(腰より上まである長靴みたいなやつ)を履いて、川を渡りながら歩いたのだが、どこを向いても絶景まみれでキノコそっちのけで写真を撮りまくってしまった。
とはいえ、キノコもしっかり見つけてきた。
釣り用のウェーダー(腰より上まである長靴みたいなやつ)を履いて、川を渡りながら歩いたのだが、どこを向いても絶景まみれでキノコそっちのけで写真を撮りまくってしまった。
とはいえ、キノコもしっかり見つけてきた。
まずはこの時期のお馴染みキノコ「ムキタケ」。
自宅周辺の里山でも見つけられるが、渓流沿いの方が虫が少なくキレイな印象がある。
山を歩いていると木1本まるごとムキタケに覆われてる光景をよく目にするので、特に珍しいものとは思わないのだが、世間では「山のフカヒレ」などと呼ばれて貴重なものとして扱われていたりする。
自宅周辺の里山でも見つけられるが、渓流沿いの方が虫が少なくキレイな印象がある。
山を歩いていると木1本まるごとムキタケに覆われてる光景をよく目にするので、特に珍しいものとは思わないのだが、世間では「山のフカヒレ」などと呼ばれて貴重なものとして扱われていたりする。
そんなムキタケと間違えやすい毒キノコとして去年紹介した「ツキヨタケ」もまた見つけた。 かなり巨大に育っていたので、比較としてナイフを置いて撮影。
つい先日もツキヨタケによる食中毒のニュースを見たが、間違えたのはムキタケではなくシイタケだったようだ。 確かにパッと見なら、ムキタケよりシイタケの方が似ているかもしれない。
つい先日もツキヨタケによる食中毒のニュースを見たが、間違えたのはムキタケではなくシイタケだったようだ。 確かにパッと見なら、ムキタケよりシイタケの方が似ているかもしれない。
続いて、久しぶりに「ウスヒラタケ」を見つけた。
ヒラタケに比べて傘の厚みが薄くて……と、改めて特徴を調べていて、不安になった。
…これ…本当にウスヒラタケだっただろうか……?
ヒラタケに比べて傘の厚みが薄くて……と、改めて特徴を調べていて、不安になった。
…これ…本当にウスヒラタケだっただろうか……?
こちらは、数日後に近所で見かけた猛毒の「スギヒラタケ」。
今まで「何の木に生えているか」だけで判断し、キノコ自体の特徴はよく見てなかったのだが、撮った写真を眺めていたらムキタケとツキヨタケなんか目じゃないほど似ていて震えた。
そこで改めてスギヒラタケを調べたところ、「ときにブナにも発生」という記述を発見。
…………もうとっくに食べてしまったが、生きているのでウスヒラタケだったのだろう。
今まで「何の木に生えているか」だけで判断し、キノコ自体の特徴はよく見てなかったのだが、撮った写真を眺めていたらムキタケとツキヨタケなんか目じゃないほど似ていて震えた。
そこで改めてスギヒラタケを調べたところ、「ときにブナにも発生」という記述を発見。
…………もうとっくに食べてしまったが、生きているのでウスヒラタケだったのだろう。
こちらも久しぶりに出会えた「ヌメリスギタケモドキ」。
渓流沿いでよく見かけるキノコで、夏から晩秋までの長い期間出会うことができる。
見た目も名前も似た感じのものが他にもたくさんある。スギタケ、スギタケモドキ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ツチスギタケ、ツチスギタケモドキ……
渓流沿いでよく見かけるキノコで、夏から晩秋までの長い期間出会うことができる。
見た目も名前も似た感じのものが他にもたくさんある。スギタケ、スギタケモドキ、ヌメリスギタケ、ヌメリスギタケモドキ、ツチスギタケ、ツチスギタケモドキ……
これはそのうちの、おそらく「ツチスギタケ」。
さていよいよ、この日の目当てである「ナメコ」の登場。
せっかく天然モノなら、市販のものでは見ないような傘が開いたものを見つけたかったが、これでも市販のナメコよりはかなり大きい。ポコポコと集まって生えている姿も愛らしい。
後日、ナメコの蕎麦とギンタケ(シモフリシメジ)の蕎麦を食べ比べした。
土や木の香りがするナメコには、七味やかんずりなど唐辛子系の調味料を。金属っぽい香りがするギンタケにはワサビがよく合った。
そして、そのナメコが生えていた木の下を見てみると……
せっかく天然モノなら、市販のものでは見ないような傘が開いたものを見つけたかったが、これでも市販のナメコよりはかなり大きい。ポコポコと集まって生えている姿も愛らしい。
後日、ナメコの蕎麦とギンタケ(シモフリシメジ)の蕎麦を食べ比べした。
土や木の香りがするナメコには、七味やかんずりなど唐辛子系の調味料を。金属っぽい香りがするギンタケにはワサビがよく合った。
そして、そのナメコが生えていた木の下を見てみると……
こ、これは…!「モエギタケ」では!?
図鑑などで見ていて、いつか見つけたいと思っていた憧れのキノコの1つ。ついに出会えた!!
ナメコを採取した際に落ちた木屑で汚れてしまったが、それでも十分美しいこの傘の色。
食べられるキノコではないが、ぜひまた会いたい。
さらにこの日はもう1つ、憧れのキノコに会うことができた。
図鑑などで見ていて、いつか見つけたいと思っていた憧れのキノコの1つ。ついに出会えた!!
ナメコを採取した際に落ちた木屑で汚れてしまったが、それでも十分美しいこの傘の色。
食べられるキノコではないが、ぜひまた会いたい。
さらにこの日はもう1つ、憧れのキノコに会うことができた。
ジャーン!「ブナシメジ」!だと思う!!
ブナシメジといえば市販でよく見るキノコ。しかし天然モノは一度も見つけられずにいたのだ。
ブナシメジといえば市販でよく見るキノコ。しかし天然モノは一度も見つけられずにいたのだ。
根本はこんな感じ。実にキノコらしくて嬉しくなる。
近くにもう1株、ブナシメジらしきキノコがあった。しかしどちらも、ハッキリとブナシメジだと言い切れない微妙なライン…。
ブナシメジの最大の特徴は、「傘に大理石のような模様がある」こと。
最初に見つけた方にはそれらしき模様があるが、後に見つけた方にはほとんど見られない。
ただ、この模様は日陰などに生えた場合には出ないこともあるそうだ。
次に「柄は中実(詰まってる)」という点については、後から見つけた方は中実だった。
しかし、最初に見つけた方は
ブナシメジの最大の特徴は、「傘に大理石のような模様がある」こと。
最初に見つけた方にはそれらしき模様があるが、後に見つけた方にはほとんど見られない。
ただ、この模様は日陰などに生えた場合には出ないこともあるそうだ。
次に「柄は中実(詰まってる)」という点については、後から見つけた方は中実だった。
しかし、最初に見つけた方は
ところどころ中空……。
最終的に、「傘裏のヒダは大きいものと小さいものが混ざり合う」という点はどちらもしっかりあったので、ブナシメジと判断したのであった。
これもとっくに食べてしまったが、私は元気です。
これもとっくに食べてしまったが、私は元気です。
オマケ:自宅周りや畑の様子
子供の頃によく食べていた「イチイの実」。父が親しいご近所さんの庭にあったので久々に食べてみた。
子供の頃に美味しかったものって、だいたい大人になってから食べると記憶よりイマイチのことが多いのだが、これは記憶以上に美味しい!!
しかし最近SNSで知ったのだが、これの種には毒があるそうで…
たまたま子供の頃は吐き出していたが、全く知らずにホイホイ食べていたので少しゾッとした。
お子さんが居る方は気をつけよう。田舎の子供はその辺の実とか草とか何でも食べる。登校中、手当たり次第の草を噛んでは「これすっぱい!」「これはスイカの味!」とかよくやっていた。
子供の頃に美味しかったものって、だいたい大人になってから食べると記憶よりイマイチのことが多いのだが、これは記憶以上に美味しい!!
しかし最近SNSで知ったのだが、これの種には毒があるそうで…
たまたま子供の頃は吐き出していたが、全く知らずにホイホイ食べていたので少しゾッとした。
お子さんが居る方は気をつけよう。田舎の子供はその辺の実とか草とか何でも食べる。登校中、手当たり次第の草を噛んでは「これすっぱい!」「これはスイカの味!」とかよくやっていた。
久々に親の畑を見に行くと、畑のはずなのに謎の木が生えていた。前に来た時はこんなものは生えていなかった。
よくよく見ると…
よくよく見ると…
オクラが付いてる!!!!!
オクラの実が下から上に向かって付くことは知っていたが、こんなにデカくなるとは知らなかったので衝撃だった。
週明けにはもう12月。
筆者はこれから先、山は山でもゲレンデに向かうことになるので、この連載はまた冬眠期間に入ることになるだろう。
永眠にならなければ、また春にお会いしましょう。
オクラの実が下から上に向かって付くことは知っていたが、こんなにデカくなるとは知らなかったので衝撃だった。
週明けにはもう12月。
筆者はこれから先、山は山でもゲレンデに向かうことになるので、この連載はまた冬眠期間に入ることになるだろう。
永眠にならなければ、また春にお会いしましょう。
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